産業用ドローンの価格は安価なもので50 万円程度、高額なもので300 万円以 上する機種もあります。産業用ドローンを選ぶ際は、使用する分野や用途を考 えて選ぶこと、低価格にとらわれず、機能性や安全性を重視することが大切で す。本記事で詳しく解説します。

林業や農業、物流、測量など、さまざまなシーンで活躍する産業用ドローンの 価格帯は50 万円程度から高額なもので300 万円以上と、機種によって大きな 差があります。トイドローンや空撮ドローンよりも高額なものが多く、保険加 入などを含めると、導入費用はそれなりにかかります。短期間の利用なら、購入ではなくレンタルの利用を検討するのもおすすめです。
産業用ドローンを選ぶときのポイントは、使用する分野や用途に合わせること と、低価格にばかりこだわらず機能性や安全性を重視しましょう。
ここでは、産業用ドローンの価格や選び方を解説するとともに、おすすめの機 種を4 つご紹介します。なお、価格は2021 年10 月28 日時点の相場を参考に しています。

産業用ドローンの価格はおよそ50 万〜300 万円程度と幅広い
ドローンにはトイドローン、空撮ドローン、産業用ドローンなどさまざまな種 類があります。ビジネスにドローンを導入する際、まず気になるのがドローン の購入価格です。趣味や遊びへの利用など、一般ユーザー向けに作られたトイ ドローンの場合は安価なもので5,000 円程度から、カメラが搭載されている空 撮ドローンの場合で1 万円程度から販売されています。
一方、林業や農業、物流など、さまざまな分野で活用できる産業用ドローンの 場合は、安価なものでも50 万円以上、高額なもので300 万円以上と、価格帯 に大きな幅があります。
測量や農薬散布などに使用する産業用ドローンには、一般的なドローンと違っ て特殊な機材を搭載しているため、100 万〜200 万円と、どうしても価格が高 くなってしまいます。

墜落事故などに備えて必須の保険は年間1 万円以上
産業用ドローンをビジネスに導入する際、もう一つ考えておかなければならな いのが「保険」の加入です。
どれだけ細心の注意を払い、操縦技術の高い人が操縦したとしても、ドローン が墜落するリスクをゼロにすることは不可能です。操縦ミスや電波障害、電池 切れ、機体の不具合、鳥との接触など、さまざまなことが原因で事故は起きて しまいます。場合によっては賠償問題に発展する可能性もあるため、万が一に 備えて、ビジネスでドローンを使用する際は保険加入は必須といっていいで しょう。
ドローンの保険には機体保険と賠償責任保険の2 つがあり、両方で年間1 万円 以上かかることもあります。購入したドローンによっては、1 年間保険加入が 無償になるサービスを受けられるケースもあります。
このように、産業用ドローンの購入には、機体価格だけでなく、保険料もかか るということを理解しておくとよいでしょう。

産業用ドローンの導入で補助金が出る場合もある
企業が産業用ドローンを導入する際、その事業内容によっては補助金が出る場 合があります。
「革新的サービス・ものづくり開発支援補助金制度」では、認定条件に該当す る中小企業・小規模事業者等を対象に、革新的なサービス・試作品の開発ほか 生産プロセスの整理・改善などに要する経費に対する支援として、設備購入時 に最大1,000 万円を補助する制度です。
対象となる経費は機械装置費・技術導入費・専門家経費・運搬費・クラウド利 用費です。産業用ドローンは用途によっては高額な機種が必要な場合もあるた め、補助金を受けられれば大幅な経費削減が期待できます。
短期の利用であればレンタルがおすすめ
ドローンを頻繁に使用するわけではなく、短期的に使用する場合は、購入では なくレンタルを利用するのも1 つの方法です。
販売価格20 万円程度の産業用ドローンであっても、レンタルであれば1 泊2 日で配送料あわせて1 万5,000〜2 万5,000 円程度で利用できます。また、レ ンタル料金のなかには、メンテナンスや保険にかかる費用も含まれています。 高額な産業用ドローンをいきなり購入するのではなく、まずはレンタルで試し てみるのも良いでしょう。

産業用ドローンは使用する分野・目的に合わせたものを選ぶ
産業用ドローンが活用されている分野は、林業・農業・物流・点検・映画撮影 など多岐にわたります。利用する分野や目的ごとに、必要となる機能も異なる でしょう。そのため、産業用ドローンを選ぶ際は、どの分野で使用するのか、 目的な何なのかを明確にしておく必要があります。
たとえば、農業の分野なら、農作業のどの段階でドローンを使用するかによっ ても選び方は変わってくるでしょう。
価格ばかりに目を向けずに機能性や安全性を重視する
トイドローンや空撮用ドローンに比べ、機能や性能が充実している産業用ド ローンは、用途によって幅があるものの、その分機体の価格相場も高めです。
しかし、導入コストを削減するために低価格にこだわって機種を選ぶことがお すすめできません。産業用ドローンに安定したパフォーマンスや安全性を求め るのであれば、ある程度予算をかけて導入することをおすすめします。
産業用ドローンおすすめ機種4選
一括に産業用ドローンといっても、機種によってさまざまな性能のものがあり ます。
ここでは、以下、おすすめの産業用ドローン4 機種について、それぞれ の特長やメリットを紹介します。
● Matrice 300 RTK
● Phantom 4 RTK
● Matrice 210 RTK V2
● Mavic 2 Enterprise Dual

1. 最先端のAI 性能を搭載した「Matrice 300 RTK」
航空システムを想定して設計された「Matrice 300 RTK」は、最先端のAI シ ステムを搭載、最長55 分の長時間飛行が可能な全く新しい産業用ドローンで す。
定期点検の自動化や、点検対象物を認識するAI システムによって、操縦スキ ルが高くない人でも、正確でズレのないデータを収集できます。また、より点 検を繊細に行えるよう、最大65,535 個のウェイポイントが作成できる点も大 きなメリットといえるでしょう。
点検分野だけでなく、防犯や捜索救助、測量など、さまざまなシーンや用途で 活用できる産業用ドローンです。

Matrice 300 RTK の利用を検討している方は、以下ご覧ください。
2. 新開発のTimeSync システムを搭載したPhantom 4 RTK
Phantom 4 RTK は、低高度でも正確なマッピングを実現するコンパクトな産 業用ドローンです。ドローン技術を根本から見直して開発した測位システムに よって、cm 単位の高精度な測位データをリアルタイムで提供します。
新開発の「TimeSync システム」は、フライトコントローラー、カメラ、RTK モジュールを常時調整し、撮影した写真に正確なメタデータを付与します。
また、1 インチ 20MP CMOS センサーやメカニカルシャッター搭載で、移動 しながらでも歪みのない最高画質のデータを撮影できるのも特徴の 1 つです。 マッピングやデータ取得もスムーズに行えるでしょう。

3. RTK 固定局でより高精度な測量を実現する Matrice 210 RTK V2
Matrice210 シリーズの最上位機種であるMatrice 210 RTK V2 は、最大飛 行時間33 分、ATTI モード対応の高性能な産業用ドローンです。防滴対応で安 定した飛行が可能です。機体の下部に2 つのカメラを取り付けることが可能で、 目的に応じて2 つのカメラを組み合わせることで、さまざまな用途に活用でき ます。
また、Matrice 210 RTK V2 では、地上に「RTK 基地局」を設置できるため、 位置情報データの誤差を最小限(数センチ単位)に抑えることが可能です。通 常、GPS による位置情報は前後と高さでおよそ2 メートルの誤差が出るといわ れています。このことからも、Matrice 210 RTK V2 がいかに正確性の高い 測量が可能かということがわかります。
RTK 基地局に対応した機体として、ほかにも Matrise 300 RTK や Phantom 4 RTK といったものも挙げられます。 機体がコンパクトなため、持ち運びに便利な点もメリットの1 つでしょう。

Matrice 210 RTK V2 のレンタルは以下を確認してください。
4. 赤外線カメラ搭載の産業用ドローン「Mavic 2 Enterprise Dual」
Mavic2 Enterprise Dual は、Mavic2 Enterprise Dualの性能 をそのままに、4K 可視光&赤外線のデュアルカメラを搭載した上位機種です。
LIR 社製の赤外線カメラによって、可視光カメラだけでは撮影が難しい夜間や 火災現場の煙の中でも正確なデータを測定します。
機体には8つの高解像度ビジョンセンサーと2 つの赤外線センサーを搭載して いるため、全方位障害物検知による高い安全性も特長のひとつ。さらに高度操 縦支援システム(APAS)を使用することで、狭い場所や障害物が多い場所で も安定した飛行が可能です。
Mavic 2 Enterprise Dual には、機体に装着可能な3 種類のモジュールがあ り、用途によって使い分けることもできます。
M2Eスピーカーは最大10 個の音声を登録し、飛行中に音声を流すことが可能 です。輝度2,400 ルーメンのM2E スポットライトは、暗闇や低照度環境下で もスムーズな作業が可能で、夜間での人命救助や点検作業の際に役立ちます。
M2Eビーコンは、衝突防止用の白色閃光灯を使用し、暗闇でもドローンの位 置を正確に把握できます。

Mavic 2 Enterprise Dual をレンタルで活用検討している場合は以下をご覧 ください。
産業用ドローンは用途・目的によって最適な機種が異なる
産業用ドローンは、農業や林業、運搬、測量、人命救助など、さまざまなシー ンで活用できる高性能なドローンです。価格は50 万〜300 万円程度と機種に よって幅がありますが、トイドローンや空撮ドローンに比べて全体的に高めな 傾向があります。産業用ドローンを導入する際は、用途や目的に合った性能の ものを選ぶことが大切です。また、安定した機能性や安全性を考慮し、安価過 ぎるものは避け、ある程度予算をかけて導入することをおすすめします。 短期間の使用、または購入前にお試しで使用したい場合は、レンタルの利用も おすすめです。
