ドローンで撮影する場合、航空法で規制されている場所で行うのであれば、法
律に基づいて国土交通省に交通省に許可申請が必要となります。
ここでは、ドローンによる撮影に必要な手続きに関する詳しい手順や、
撮影の際に注意すべき点について詳しく解説します。
まるで鳥になったかのような気分で地上を眺めることのできるドローンを使っ
た空撮。ドローンに魅力を感じている方の中には、空撮することをメインにド
ローンを使ってみたいと考えている方も少なくないでしょう。
しかし、ドローンによる空撮には決まりがあり、ドローンがあるからといって
どこでも自由に空撮をしても良いわけではないのです。
そこで今回は、ドローンで撮影を行う際に必要な許可や手続きについて詳しく
解説していきたいと思います。
※なお、本記事の情報は2021年10月時点の情報になります。最新の情報は各
公式サイトをご確認ください。
200g以上のドローンは「航空法」の規制の対象となる場合がある
ドローンの飛行にはドローンの重量と「航空法」が大きく関係してきます。
ドローンの見た目は玩具に近く、言うまでもなく人が乗ることもできません。
しかし法律上では「無人航空機」に分類され、遠隔操作または自動操縦ができ、
なおかつ200g以上のものは、飛行禁止区域以外であったり、申請が必要ない
方法で飛ばせたりする場合を除いて、飛行させる際に国土交通省への申請が必
要になります。また、申請すれば自由に飛行させて良いわけではなく、規制や
ルールを守る必要もあります。
ドローンに関係する航空法の主な規制
詳細については国土交通省の「無人航空機の飛行ルール(日本語版)」ならびに「安全な飛行の為のガイドライン」に示してありますが、まず、次の3点は飛行禁止区域とされています。[注1][注2]
- 150m以上の上空(水面から150mを超える場合も同様です)
- 空港周辺の空域(「周辺」がどこまで含まれるかは、空港により異なります)
- 人工集中地区(DID)の上空
これらの区域でどうしても飛行をしたいという場合には、事前に空港事務所長あるいは地方航空局長の許可を得なければなりません。
[注1]国土交通省「無人航空機の飛行ルール(日本語版)」 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001414567.pdf
[注2]国土交通省「安全な飛行の為のガイドライン」 https://www.mlit.go.jp/common/001303818.pdf
ドローン飛行のルール
また、上記の飛行禁止区域以外でドローンを飛行させる場合にも、次のような条件を守って飛行をさせなければいけません。
- 1.操縦をする人が飲酒をしている場合は飛行をさせてはいけない
- 2.飛行前に気象の状況や機体に異常がないかなどの確認をする
- 3.人や建物、乗り物などから30m以上離れており、十分な空間を確保していること
- 4.目視内飛行(操縦者が肉眼で常時監視できること)ができる状態である こと
- 5.日中から日没までに飛行をすること(基準は国立天文台が発表している 日の出時刻から日の入り時刻まで)
- 6.火薬類や高圧ガスなど可燃性の「危険物」とされる物質の輸送をしない こと
- 7.ドローンから物体を投下しないこと
- 8.多数の人が特定の日時・場所に集まる「催し場」での飛行をしないこと
ただし、例えば趣味ではなく業務でドローンを使用したい場合、目視内飛行が難しかったり、イベントの様子を上空から撮影する必要があったり、夜間飛行をする必要があるケースもあるでしょう。
ではそのような場合にはどうすればいいのかというと、あらかじめ国土交通大臣の承認を得るための申請を行う必要があります。
ドローンで撮影する際の許可申請の方法
先ほどご紹介したケースのように、一定の条件での撮影に関しては国土交通省から許可を得る必要があり、その許可申請の方法としては、大きく「直接持ち込み」「郵送」「オンライン申請」の3つがあります。ただ、例外として、災害時などでドローンを使った人道的支援が必要な場合や、公共性が高い目的の場合は、メールやFAXによる申請も可能です。
なお、基本的に申請をしたからといって即日許可が下りるわけではなく、審査に時間が係る場合もあります。そのため、ドローンの飛行を予定している日から逆算して、10営業日以上の余裕は持たせるようにしましょう。可能であれば3~4 週間前に申請を行っておくと不備があった場合にも安心です。
また、郵送の場合は切手代などが発生しますが、申請自体は無料で行うことができます。
直接持ち込みや郵送はなるべく避けた方がベター
先ほど、国土交通省への申請は大きく3種類あることをお伝えしましたが、国道交通省の申請窓口に持参したり、郵送による申請はなるべく避けたいところです。
なぜなら、申請書類を訂正しなければならないケースが多く、直接持ち込みや郵送は非常に時間と手間を要するからです。
どうしてもオンライン申請が難しいケースを除いては、次にご紹介するオンライン申請をおすすめします。
オンラインで申請する方法
国土交通省のオンラインシステムは「DIPS」というもので、まずはこちらにアクセスし、新規登録を行い、ログインをします。
ログイン後は、
- ホームページ掲載機であるか否か
- 機体情報
- 操縦者情報
- ホームページ掲載団体技能認証の有無
などの必要事項を入力し、登録します。
その後は「申請書の作成(新規)」をクリックし、各質問に答えていけば申請は終了です。
もし申請書類に不備が合った場合は、訂正の依頼がメールで送られてきますの で、その際は再度「DIPS」にログインをし、訂正指示に従って入力を行いましょう。
2種類の申請形式
ドローンで撮影する際の許可申請には「個別申請」と「包括申請」という2種類があります。
個別申請が期日や飛行経路など、1回の飛行ごとに許可申請をする方法であるのに対し、包括申請は、期日や飛行経路などを指定することなくまとめて許可申請をする方法です。
そのためドローン撮影を多く行っているカメラマンなどの場合は、天候などの関係もあり目的とする撮影が1回で終わらないなどの理由から包括申請を行うことが多いようです。
ただ、包括申請は申請すれば必ず許可がおりるというわけではないため、イベントなどで期日や経路が指定できる場合は個別申請をすべきでしょう。
ドローンによる撮影に航空法以外にも気を付けること
ここまで航空法についての情報を中心にお伝えしてきましたが、ドローン撮影を行う場合、航空法だけに気を付ければ良いというわけではありません。
例えば、国の重要施設などの周辺においては小型無人機等飛行禁止法によってドローンの飛行は禁止されています。また、ドローンで撮影した映像に第三者の個人情報が写り込んでいる場合、その後の画像方法の使用方法などによっては個人情報保護法違反などの罪に問われる可能性もあるでしょう。
そして、これらを無視してドローンによる撮影を行った場合は、当然、法律や条例による罰則を受けることになります。例えば航空法の場合では50万円以
下の罰金、小型無人機等飛行禁止法の場合では1年以下の懲役(又は50万円以下の罰金)などが挙げられます。
また、航空法の適用外である200g未満のドローンについても、使用方法によっては軽犯罪法に抵触する恐れがありますので注意が必要です。
そのほか、条例や土地や建物の所有者によって禁止されているケースもあるた め、事前に必ず確認を行うようにしましょう。
正しい知識のもとスムーズにドローン撮影を楽しもう
ドローン撮影は一見手軽に楽しめそうなイメージがありますが、実は許可申請を必要とするものが少なくありませんので、まずはドローン撮影に関する法律やルールについて把握してから、撮影についての計画を立てるようにしましょう。
また、国土交通省への許可申請はもちろんのこと、「これは大丈夫かな?」という疑問がある場合は、国土交通省の無人航空機ヘルプデスク(電話:050-5445-4451、受付時間:平日9:00~17:00)や、その土地の管轄である自治体などにまずは問合せをしてみることをおすすめします。
正しい知識のもと、楽しくドローン撮影を楽しみましょう!
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監修者
森本 洸生(もりもと こうき)
株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)
<略歴>
中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。
<所有する資格>
- DJI CAMPスペシャリスト
- DJI CAMPインストラクター
- DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
- 無人航空従事者試験1級
- CRPI公認指導員
- 総飛行時間400時間以上