ドローンの操縦でありがちなトラブルと対処法

機体自体の性能は年々向上していますが、一昔前に比べてドローンが一般的に使用されるようになったため、ドローンを使用中のトラブルや「こんな時どうすればいいの?」といったご質問・お問合せを多くいただいています。

 

今回のコラムでは、特にドローンを初めて扱う方に向けて、よくあるトラブルと対処方法についてご紹介します。

ドローンの機種によりトラブルシューティングが異なる場合もあるので、ご質問があればお気軽にお問合せフォームからどうぞ!

 

トラブル発生時の正しい対処法を知ることの重要性

ドローンを使用する上で、トラブルが発生した場合に適切な対処法を知っていることは非常に重要です。

ドローンを販売している会社やレンタル会社へ問い合わせをすればサポートをしてくれると思いますが、実は自分で簡単に解消できるトラブルも多いもの。

「返信が遅くてせっかくの旅行なのに使えない」「仕事で使っていてすぐ解決しないと困る」という時のために、基本的な対処方法をご紹介します。

 

トラブルシューティングの前に確認すること

一見機体故障のように思われる症状でも、機材の状態や接続を見直すことですぐに解消できるものも数多くあります。

ドローンの様子が何かおかしいと感じたら、まず下記の内容を確認してみましょう。

 

①バッテリーの充電残量の確認

ドローンを使用する前に、バッテリーの充電残量を確認することは非常に重要です。

バッテリーが充電されていない時はドローンの電源ボタンを押しても何も反応しません。充電したつもりでも、ケーブルがきちんと刺さっていなかったというケースもあります。

また、バッテリー残量が極端に少なすぎる場合はドローンが離陸できないので、機体バッテリーと送信機両方の充電を忘れずに行いましょう。

 

②プロペラの状態の確認

プロペラに異常がある場合も、ドローンが正常に離陸・飛行できません。

ドローンが離陸しない・離陸した直後にひっくり返る・ホバリングが安定しない場合は、プロペラの破損が無いか、プロペラの取り付け位置が正しいか確認してみましょう。

目視では気付かないような歪みが発生していることもあるため、怪しい場合は一度全て交換してみることをおすすめします。

 

③飛行場所の状況の確認

飛行場所によっては、制限や規制がある場合があります。

ドローンの飛行が禁止されている区域では、ドローンのモーター起動にロックがかかり、飛行させることができません。

飛ばすことができたとしても法令違反になる恐れがあるため、飛行場所については事前に調べ、規制がある場合は適切に対処(申請等)をするようにしましょう。

 

④ファームウェアの確認

ドローンはパソコン等と同様に、定期的に新しいファームウェアが提供されます。

古いファームウェアのまま使用しているとバグが発生する可能性もあるため、使用前に最新のファームウェアになっているか確認しておきましょう。

DJIのドローンは、飛行に使用するアプリやパソコンで繋いで簡単にアップデートをすることができます。

 

なお、産業用ドローンなどの一部機種のファームウェア更新は時間がかかるため、事前に十分充電したうえで実施する必要があります。

撮影現場で時間を取られないよう、事前準備の段階で確認しておくことをおすすめします。

【関連記事】
【ドローンのトラブルはどうすればいい?】よくある質問や対処方法をまとめました

ドローンを使用中のトラブルシューティング方法

前述したチェック項目を確認したにもかかわらず、ドローンの動きがおかしい場合、何らかのトラブルが発生している可能性があります。

 

①送信機との接続が切れた(画面が消えた)場合の対処法

ドローンを飛行中、急に送信機との接続が切れてしまったらびっくりしますよね。

もしそのような場面に遭遇したとしても、焦ってドローンを着陸させようとはせず、まずは冷静になることが大切です。

現在主流のドローンは送信機との接続が切れても、その場で急に墜落するようなことはほとんどありません。(緊急時の動作を"その場で着陸"などに設定していればその指示に従います)

 

ケーブルの接続を確認する

送信機とデバイスをケーブルで接続するタイプのドローンでは、使用中にケーブルの差し込みが緩んでしまったり、経年劣化でケーブルが断線してしまうこともあります。

一度ケーブルを引き抜いて、再度奥までしっかりと差し込み解消されるか確認してください。

 

ドローンの近くへ移動する

ドローンと送信機の通信自体が途切れてしまった場合は、何かしらの電波干渉が発生している可能性が考えられます。

ドローンの近くに送信機を持ったまま移動し、電波を拾えるか確認してみてください。

使用していないWi-FiやBluetoothがある場合は、それらをOFFにすることも有効です。

 

ドローンの着陸を試みる

近くに障害物もなく安全の確認が取れている場合は、静かにその場への着陸を試みる方法もあります。

画面が映っていないにもかかわらず送信機による操作が可能な場合は、ケーブルの断線が起きている可能性が高いです。

反対に送信機での操作が不可の場合は、ドローンに近づいて再接続を試みるか、周囲に十分配慮しながら低バッテリーモードになり自動着陸するまで様子を見ます。

 

②ドローンが起動しない・操作できない場合の対処法

前述した「バッテリーの充電不足」や「プロペラの不具合」、「飛行禁止エリア」に該当しないにも関わらず正常に動かない場合、下記の内容をお試しください。

 

すべての機材を再起動する

アプリを含め、一度すべての電源を落として再起動をしてみましょう。

ドローンは精密機器のため、パソコンのように一時的なバグが発生してしまうケースも稀にあります。

 

飛行環境を変える

それでも解消しない場合は、周囲の環境起因も考えられるため、場所を変えて離陸・操作を試してみましょう。

具体的には、細かい障害物が多い場所(森の中)、壁に囲まれた室内、鉄塔や鉄橋の近くでは離陸できない・操縦が利かなくなる可能性があります。

 

障害物センサーをOFFにする

障害物センサーの働きで制限がかけられていることも考えられるため、広い安全な場所に移動したうえで、一時的に障害物検知をOFFにすると問題なく飛行できる場合もあります。(飛行には十分注意してください)

 

上空の風の強さを確認する

ドローンは簡単に数十メートル上空まで飛ばせますが、地上とは全く異なる環境であることを頭に入れておきましょう。

機体がうまく制御できない場合は、上空の風が強すぎるということも考えられます。

 

③ドローンの飛行が安定しない場合の対処法

離陸と操作はできるけど、どこかドローンが安定しないと感じる場合、キャリブレーションを行うことをおすすめします。

ドローンには、ジンバル・コンパス・IMUなど、色々なパーツ毎のキャリブレーション機能が備わっています。

普段問題なく動いているように感じても、機械には少しずつ"ズレ"が生じてくるため、定期的にキャリブレーション(メンテナンス)を実施する必要があります。

 

特に頻発するのがジンバルの異常で、カメラからの映像が小刻みに揺れたり、送信機で指示した通りに動かなくなる場合があります。

その原因の多くは、離着陸時に砂や草を巻き込んだりする異物混入の発生か、ジンバルカバーを取り忘れたり強風の中飛行させてジンバルへの負荷が大きくなったことによるものです。

キャリブレーションを行うとともに、ジンバルに何か巻き込みや破損が発生していないか、指でくるくると動かしながら確認してみましょう。

 

ドローンの破損・メンテナンスに関するトラブルシューティング

どんなに気を付けていても、ドローンは使用するうちにパーツが消耗し、破損してしまうこともあります。

基本的に、ドローンが破損した場合はメーカーでの修理を依頼します。

簡単に思えるパーツの交換でも、空を飛ぶ機械ですからきちんと技術を習得したスタッフでないと大きな事故につながる可能性があるためです。

 

バッテリーの破損が起きた場合の対処法

アプリにバッテリーの破損を思わせるような警告が出た場合、ただちにドローンの電源を落としてバッテリーを取り外してください。

バッテリーは劣化すると膨張したり、破裂する恐れがあり大変危険です。

漏電してドローン本体まで破損してしまうこともあるため、バッテリー接続部分が変色していないか注意しましょう。

雨にぬれたり、水没したバッテリーをドローンに装着することも厳禁です。

中を開けて分解することも絶対にやめてください。

バッテリーのみを修理に出すこともできますが、高確率で交換対応になるため、新たに購入する場合とどちらが安く済むか見積もりをみて検討されることをおすすめします。

 

プロペラが壊れた場合の対処法

基本的にドローンのプロペラは消耗品です。歪みや割れが発生した場合は、少々勿体なく感じるかもしれませんが新しいプロペラと交換するようにしましょう。(数少ない手軽に交換できるパーツです)

劣化したプロペラを使い続けてしまうと、風圧に耐え切れず空中で折れたり、思うように操作ができず、人や物にぶつかってしまう恐れもあります。

 

ジンバルやドローン本体が壊れた場合の対処方法

ジンバルカメラやドローン本体が壊れてしまった場合は、残念ながらメーカーでの修理が必要になります。

パーツ1つ1つにも費用がかかるため、取れてしまったパーツなどもすべて修理に出すことをお忘れなく。

 

まとめ

近年飛躍的に性能が向上しているドローンですが、機械を使用するうえでトラブルをゼロにすることはできません。

しかし、適切な知識を持っていれば、多くのトラブルは解決することができます。

 

飛行前の点検項目や、発生しやすいエラー、その対処方法など、高価なドローンを破損させないため・自分や周りの人の安全のためにトラブルシューティングを知っておくことは非常に有効です。

ドローンレンタルのドロサツ‼では、空撮用や産業用ドローン、水中ドローンなど幅広い用途のドローンレンタルが可能です。

個人の方も法人の方も、ドローンのレンタルなら機体保有台数業界No.1のドロサツ‼にご相談ください。

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監修者

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森本 洸生(もりもと こうき)

株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)

<略歴>

中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。

<所有する資格>

  • DJI CAMPスペシャリスト
  • DJI CAMPインストラクター
  • DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
  • 無人航空従事者試験1級
  • CRPI公認指導員
  • 総飛行時間400時間以上
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