DJI M30とZenmuse H20Nの特徴と活用方法を紹介

先日、ドローンの世界シェアNo.1を誇るDJIから、産業用ドローン「M30」と、ジンバルカメラ「Zenmuse H20N」が発表されました。
 
これまでのMatriceシリーズやZenmuseシリーズとは一体何が違うのでしょうか?
注目の新機能や活用方法、気になる販売価格をご紹介します!
 
 
 

産業用ドローンが普及してきている背景

 
近年、どの業界でも労働力不足が叫ばれていますが、そんな時代に対応すべく、
あらゆる分野で産業用ドローンの活用が急速に進んでいます。
 
  
 
機体性能は年々向上しており、ドローンに関する特別な知識やスキルがなくとも、自動航行やAI機能を活用した安定的なデータ取得が可能なため、IT人材が不足する現場においても比較的スムーズに導入できるようになったことが大きな要因と考えられます。
 
そんな「空の産業革命」の旗振り役として、これまで数多くの産業用ドローンを世に送り出してきたDJIですが、点検業務や測量業務、さらには捜索救助などにも対応したマルチな産業用ドローン「DJI Matrice 300 RTK」が絶大な人気を誇る中、今回はその新バージョンとも言えるDJI Matrice 30(以下M30)シリーズを発表しました。
 
従来のMatriceシリーズとは"一味違った"M30シリーズの魅力と、最新Zenmuseシリーズの特徴をご紹介します。

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DJI M30シリーズとは

 
今回の新製品発表会で披露されたM30は、M300同様に点検・測量業務や捜索救助も行えるように設計された本格的な産業用ドローンです。
しかし、従来のMatriceシリーズと比べると大幅に小型化されており、幅広いシーンでの活用が期待されます。
 
1つのカメラペイロードに高性能センサーを複数搭載し、制御には独自設計の送信機と
アップグレードされたアプリ「DJI Pilot 2」を使用します。
 
パワー、耐久性、性能は大幅に向上。機体はセルフロックシステムにより、ボタンを押すだけで折りたたむことができ、持ち運びやセットアップも容易です!
 
  
 
 

業務が容易に!注目すべきは小型化されたスマートな機体

 
機体サイズは470×585×215 mm (プロペラを除く)と、従来の産業用ドローンの中ではかなりコンパクトに設計されていることが分かります。
空撮機のMavic3やMavic2よりは大きいものの、M300やM210などの産業機と空撮機の中間くらいの大きさといったところでしょうか。
 
  
 
これまでのMatriceシリーズはパーツひとつひとつのサイズも大きく、ビーコンを傷つけないよう慎重にランディングギアを取り扱う手間もありましたが、M30はボタンを押すだけで折りたたむことができるセルフロックシステムを搭載しています。
 
アームを広げるだけで簡単にセットアップが完了するので、一秒たりとも無駄にできない緊急性の高い現場では大幅な時間短縮が期待できそうです。
 
  
 
今回、「M30T」と「M30」の2種類が同時に発表されましたが、5〜16倍光学ズームと200倍デジタルズーム対応の48MP 1/2インチCMOSセンサーのズームカメラ、4K/30fps動画撮影に対応した12MP広角カメラが用意されています。
 
M30Tモデルでは、M30のカメラ性能に加え、最大1,200m先の対象物でも高精度に座標を提示できるレーザー距離計と、640×512ピクセルの放射分析サーマルカメラが搭載されています。
 
最大離陸重量は4kg。自己発熱機能を持つ「TB30インテリジェントフライトバッテリー」は、最大41分の飛行が可能です。専用充電器である「BS30インテリジェントバッテリーステーション」は、約30分で20%から90%まで充電が可能です。
 
またDJI Matrice 300のV3ファームウェア同様の高いデータセキュリティプロトコルを採用しており、ファームウェアのオフライン更新やローカルデータモード、SDカードデータのAES暗号化にも対応するとのことです。
 
 

今までの製品との違いは?

 
M300は、これまで業務用途に合わせたジンバルカメラを付け替えることが可能でしたが、M30シリーズでは従来の空撮機やMavic 2 Enterpriseシリーズなどと同様に、すでにジンバルカメラが装着されています。
業務に合わせて都度高額なジンバルカメラを購入する必要がなく、1機だけで幅広いジャンルの業務に対応できるのは非常に魅力的ですね。
 
  
 
飛行時間はM300より10分ほど短縮されますが、このサイズ感でスピーディーに業務を開始することができる点を考えれば、あまりデメリットには感じられません。
 
追加オプションでは、M30の自動離着陸や充電ステーション、ドローンのプログラム飛行ミッションを自動で実行することができる「DJI DOCK」という新商品も発表されました。
遠隔からモニタリング・管理できるソリューションとなっています。
 
  
 
 
 

Zenmuse H20Nとは

 
今回の新製品発表会では、DJI M300 RTKドローン用に設計されたカメラ「Zenmuse H20N」(以下H20N)も発表されました。
H20Nは、スターライトセンサーを搭載したナイトビジョンカメラ、ハイブリッドズーム対応サーマルカメラ、レーザー距離計を併せ持ち、革新的で安定的な夜間業務が行えます。
(↑ちなみにこのNという名称、Nightの意味だそうです。)
 
  
 

進化したスターライトセンサー

 
スターライトセンサー搭載ナイトビジョンカメラは20倍ハイブリット光学ズームに対応し、解像度640×512の2つのサーマルカメラはそれぞれ2倍と8倍の光学ズームに対応、そして、レーザー距離計の測定範囲は1200mにも及びます。
  
従来のH20シリーズでもズーム機能やレーザー距離計が搭載されていましたが、H20Nは優れたナイトビジョンカメラを搭載していることが大きなポイントです。
 
  
 
 

活用が期待される業界

H20Nはスターライトセンサー搭載ナイトビジョンカメラなので、極度の低照度環境下でも対象を鮮明に捉えることができ、夜間での捜索救助オペレーションや迅速な状況把握が必要な緊急事態での業務での活躍が期待できます。
 

1.警察機関や自衛隊、海上保安庁など

 
今後、国の機関でも山岳救助及び捜索活動を行う際のドローンを使った救助捜索が増えていくでしょう。
人力による夜間の捜索は大変な労力がかかる作業でしたが、昼夜問わずトラブルに対応できるH20Nは重宝されることになりそうです。
 

2.民間のレジャー関係施設

 
夜間パトロールへの活用の他、万が一の事態に備えて施設に設置しておくことで、行方不明者の捜索や、けが人が発生した際の位置の特定などを行うことも可能になります。
 

3. 建設業

 
夜間工事の進捗確認や安全確保など、ドローンの活用時間が限られていた現場でも今後ますます導入が進みそうですね。
 
 

DJI M30シリーズと20Nの販売価格は?

 
M30の国内向け本体価格は約90万円(バッテリーを含まず)からで、2022年4月末以降の出荷が予定されています。 Zenmuse H20Nは、本体参考価格が約150万円前後と発表されています。産業機を購入する場合は高額な初期費用が必要となるため、まずは気軽にお試しできるレンタルリースの活用がおすすめです。

 

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監修者

監修者の写真

森本 洸生(もりもと こうき)

株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)

<略歴>

中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。

<所有する資格>

  • DJI CAMPスペシャリスト
  • DJI CAMPインストラクター
  • DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
  • 無人航空従事者試験1級
  • CRPI公認指導員
  • 総飛行時間400時間以上
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