ドローンで屋根点検を行うメリットと注意点

現在、ドローンを使って屋根の点検を行う業者が増加しています。ドローンを使って屋根の点検を行えば、従業員の安全を確保しつつ、素早く作業を進めることが可能です。さらに家主がドローンの映像を確認しながら修理の必要性を検討できます。ドローンの騒音や航空法などのデメリットはあるものの、今後さらにドローンの活用は進んでいくと予想されます。
 
 
ドローンはさまざまな分野で活躍しています。そのなかのひとつが屋根点検で す。屋根点検は危険がともなう場合もあるので、ドローンを活用する方法がよく用いられるようになっています。
 
当記事では、屋根点検をドローンで行うメリットとポイントについて解説しま す。

屋根点検をドローンで行う6つのメリット

屋根点検をドローンで行うことにはいくつものメリットがあります。
しかし、なかには「ドローンを使う」ということ自体にやや不安に感じる方もいるかもしれません。
従来の点検方法のデメリットをしっかりカバーできるのがドローンによる点検の特徴です。
ここでは、屋根点検をドローンで行うメリット6つを紹介します。
 

1.点検の時間の短縮

ドローンを使って屋根の点検を行うメリットとして、時間の短縮が挙げられま す。
これまで屋根の点検を行う際には、作業員がはしごを使って屋根に上る必要がありました。
はしごがかけられない高い屋根の場合は、足場を組まなければならず、多くの人手と時間が必要だったのです。
 
 
 
しかし、ドローンを使えば、屋根点検の時間を大幅に短縮できます。
まず、足場を組む必要も、作業員が屋根に上る必要もありません。
ドローンを飛ばして屋根の周りを回り、映像を確認すれば点検が行えます。
 
通常ドローンの飛行時間はコンシューマ機だと20分から30分程度が限界なの
で、その程度の時間で点検が終了すると考えてよいでしょう。
現在、主流とされているMatrice 300 RTKのような産業機であれば最大で50分の飛行が可能です。
 
屋根の点検は定期的に行わなければなりませんが、数十分で終わることがわ
かっていれば依頼しやすくなります。
 

2.細かい部分まで点検できる

ドローンによる屋根点検の別のメリットは、細かい部分まで点検できる点です。
作業員が屋根に上って点検する場合、屋根の表面は確認できても奥まった部分や暗い部分などは見ることができませんでした。
人間の目では限界があるので、屋根の壊れた部分を見逃してしまったり、問題ない部分を修理してしまったりするケースがあったのです。
しかし、ドローンを利用した点検でこうした懸念もなくなりました。
点検業者が使用しているような産業用ドローンには、高性能のカメラが搭載されているため、人間の目では確認できなかった場所まで高画質で撮影できます。
どの程度屋根が壊れているのか、修理が必要なのか、修理費がどのくらいになるのかなどを、より正確に把握できるのです。
さらに、赤外線カメラを搭載すれば、屋根の過熱度を確認することも可能です。
ドローンだからこそ行える点検方法もあるので、より詳しく屋根の状態を把握できる可能性があります。
 

3.屋根材に与える影響が少ない

ドローンで屋根の点検を行えば、屋根材に与える影響がほとんどないこともメリットです。
ドローンを飛ばした点検は屋根と接触しないため、
屋根材を壊したり変形させたりする心配はほとんどありません。
従来の点検方法では、作業員が屋根に上って屋根の状態をチェックしていたの で、屋根が傷んだり、作業員の転落事故などが起きたりするリスクがありまし た。
屋根の点検は熟練した職人が行うことが多いのですが、それでも屋根の状態によっては屋根材を傷つけてしまうことがあります。
 

4.事故やケガのリスクが減る

ドローンを使って屋根の点検を行えば、事故やケガのリスクを減らせるのも大
きなメリットです。
 
屋根に上っての点検は、常に危険をともないます。
熟練した職人であっても、
一歩間違えればケガをしたり、死亡してしまったりするリスクがあるのです。
しかし、ドローンを使えば、こうしたリスクを最小限に抑えられます。
 
職人や操縦者は地上におり、ドローンだけが高所に行って点検を行うので落下
やケガの危険がありません。
 

5.どんな屋根でも点検できる

ドローンを使えば、どのような高さ、形状の屋根でも点検できるメリットもあります。
作業員が屋根に上って点検する場合、高さや形状に制限がありました。
たとえば、はしごで登れない2階や3階の屋根や、急勾配の屋根も、
業員が落下する危険性があるため、点検することができませんでした。
また、それほど勾配が急でなくても、雨が降った後であったり、
塗料を塗ったばかりだったりすると非常に滑りやすく、
点検することができないケールもありました。
しかし、ドローンであればこうした制約なしにいつでも点検が可能です。
2階以上の屋根であっても、ドローンであればほんの数秒で上昇しすぐに点検を始められます。
急勾配の屋根の場合にも、ドローンを使えば屋根に沿って飛ぶことができるのでスムーズに点検できるのです。
  
 

6.業者と一緒に屋根の状態を確認できる

屋根の点検にドローンを使えば、家主が業者と一緒に屋根の状態を確認できま す。
これまでは作業員が屋根に上って点検を行い、
地上に降りてきてから状態について説明していました。
つまり、家主は直接屋根の状態を確認できず、作業員の話を信じるしかなかったのです。
もちろん、ほどんどの業者は誠実に屋根の点検を行っています。
しかし、なかには偽りの報告をして、
あたかもすぐに修理が必要であるかのように説明する業者も存在します。
場合によっては、屋根に何の問題もないのに、
高額の修理が必要であるという詐欺まがいの行為を行う業者もいるようです。不要な修理を高額で依頼してしまい、多くの損害が出たケースもあります。
しかし、ドローンを使えばそのような心配はなくなります。
ドローンを使って屋根の点検を行う場合、
タブレット端末などで屋根の状況が随時確認できます。
家主は業者と一緒にタブレット端末を見て屋根の状態を確認し、
本当に修理が必要かどうかを検討できるのです。
業者としても、どの部分の修理が必要なのか、
どの程度の費用がかかるのかをわかりやすく説明することができます。
 
  

ドローンを使った屋根点検の4つのデメリット

ドローンを使った屋根点検には多くのメリットがありますが、デメリットについて理解しておくことも重要です。
ドローンを使った屋根点検で感じるかもしれない、4つのデメリットを紹介します。
 

1.ドローンによる騒音

ドローンを使った屋根点検のデメリットとして挙げられるのが、騒音です。
ドローンはラジコン飛行機のような見た目なので、それほど騒音がないように思えますが、実はそうではありません。
ローターと呼ばれるプロペラが4つから8つ付いている製品が多いので、かなりの音が出ます。
 
近隣に住宅がある場合には、住人から苦情が出る恐れもあります。
とくに朝早く点検を行うのであれば、あらかじめドローンを飛ばす旨を隣人に伝えておくとよいかもしれません。
 
なお、近年では騒音が少ない静音モデルもいくつか登場しています。
騒音が気になるのであれば、できるだけ音が静かなモデルを選ぶとよいでしょう。
 

2.触診はできない

当然ながら、ドローンによる屋根点検の場合、触診はできません。
ドローンは非接触で屋根の状態を撮影して点検を行うので、
屋根のガタつきなどは判別できないのです。
屋根の点検では触診も非常に重要な要素となるので、ドローンでの点検の大きなデメリットといえるでしょう。
ガタつきは実際に屋根に力をかけてみて判別するもので、
台風の際にはガタつきが原因で屋根の一部が飛ばされてしまうこともあります。
古い家の場合には実際に職人による触診が必要となるかもしれません。
 

3.応急処置はできない

ドローンの屋根点検の主な役割は、
修理が必要な部分の目視による判定です。
したがって、すぐに修理が必要な部分があっても応急処置することができませ ん。
たとえば、すでに雨漏りしている部分がある、飛ばされかけている屋根材があるといったケースでも、ドローンで修理を行うことはできないのです。
同様に、屋根材の一部をはがして点検することもできません。
すでに屋根に不具合が出ている場合や、応急処置が必要だとわかっている場合には、ドローンの利用は避けた方がよいでしょう。
 

4.航空法の制限がある

ドローンを使った屋根の点検の別のデメリットは、航空法による制限です。
航空法は飛行機などに対するルールを定めた法律で、200g以上の重さのドローンにも適用されます。
たとえば、人口密集地や空港などの周辺、地表面から150m以上の高さでドローンを飛ばす場合には、事前に国土交通省に許可を申請しなければなりません。
さらに、小型無人機等飛行禁止法によって、国会議事堂や外国の大使館や領事館、首相官邸などの周辺でも、
ドローンを飛ばすことはできません。
ドローンはこうした制約を受けることも覚えておきましょう。
 
 
 
 

屋根点検に適したおすすめのレンタルドローン3選

屋根点検にドローンが有効であることはすでに証明されていますが、
ドローンを実際に購入するのには費用がかかりすぎると感じる方もいます。
費用について悩んでいる方は、ドローンを一時的にレンタルして使用することを検討できるでしょう。
リーズナブルにレンタルできるドローンを3つご紹介します。
  

優れたカメラスペックを持つMavic Air2/Air2s

Air2s は、2021年4月に登場した Mavic Air2 のマイナーチェンジ版です。
スマートフォトのための 12MP とモード切り替えで 48MPの高画質での撮影が行えます。
画素数が高いほど、撮影したあとに画像を拡大しても細かな部分まで確認できるため、ドローンを用いた点検に最適でしょう。
 
サイクリングやランニングのお供に最適なドローンとなっており、
レンタル料金も比較的リーズナブルなため、高い人気があります。
 
  
  
 

点検業務に最適のMavic 2 Enterprise Dual

手軽さよりも性能を求めるのであれば、産業用ドローンの一つである「Mavic 2 Enterprise Dual」がおすすめです。
 
可視画像だけでなく、熱画像で業務をサポートしてくれるので、屋根の見えない部分の不具合なども発見可能です。
機体上部には拡張ポートが備わっており、機能をカスタマイズして必要な機能を搭載することができます。
 

産業用ドローンとして人気のMatrice300Rtk

産業用ドローンとして高い機能を誇るのがMatrice300Rtkです。
最先端のAI性能を搭載した全く新しい産業用ドローンで、屋根の点検はもちろんのこと、防犯や測量など多くの分野に利用可能です。
55分という長時間飛行が可能なので、屋根の隅々までしっかりと点検できるでしょう。
 

屋根の点検ではドローンを使ってみよう

屋根の点検では、ドローンが非常に有用です。
家主も不安を抱くことなく、映像を確認しながら屋根の状況を確認することができます。
また、修理の必要性を業者と一緒に確認できるので、
安心して修理を任せることができるでしょう。
余計な修理をされて出費がかさむ心配もありません。
今後ドローンによる屋根の点検がより一般的になっていけば、
従業員の安全と修理の質の向上につながっていくでしょう。

ドローンレンタルのドロサツ‼では、空撮用や産業用ドローン、水中ドローンなど幅広い用途のドローンレンタルが可能です。

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監修者

監修者の写真

森本 洸生(もりもと こうき)

株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)

<略歴>

中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。

<所有する資格>

  • DJI CAMPスペシャリスト
  • DJI CAMPインストラクター
  • DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
  • 無人航空従事者試験1級
  • CRPI公認指導員
  • 総飛行時間400時間以上
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