ドローンについて興味がある方であれば一度は目にしたことのある「FPV」と いう言葉。
FPV とは日本語でいうと「一人称視点」のことを意味し、ドローン を飛ばして楽しむだけではなく、ドローンの視点で映像を楽しめる機能のこと をいいます。
ここではそんな「FPV」について詳しく解説します。
ドローンに興味をお持ちの方であれば、一度は「FPV」や「FPV ドローンレー ス」などといったキーワードを目にしたことがあるのではないでしょうか。
FPV とは「First Person View」の略語で、日本語に訳すと「一人称視点」を 意味します。
ここではそんなちょっと気になる「FPV」について、その魅力や 注意点などを含め、わかりやすく解説します。
ドローンから見た景色が楽しめるFPV
FPV とは、ドローンを操縦して飛行を単純に楽しむだけではなく、ドローンで 空撮した映像を一人称視点でリアルタイムに見ることができる機能のことをい います。そしてこの機能がついているドローンを「FPV ドローン」と呼んだり もします。
FPV の面白さは臨場感
FPV ドローンでは、リアルタイムで操縦しているドローンからの視点で映像を 楽しむことができるため、まるで自分が鳥になったり、ドローンそのものに搭 乗しているかのような非日常的な臨場感を味わうことができます。
スマートフォンやタブレットなどのモニターを通して大勢で映像を一緒に楽し むことはもちろん、FPV 専用のゴーグルや、頭部に装着をするヘッドマウント ディスプレイを使えば、よりリアルにドローン目線のスピード感やリアルな景 色を楽しむことが可能です。
FPV ドローンレースも人気
さらに最近では「ドローンレーサー」と呼ばれる操縦者がヘッドマウントディ スプレイを装着して、機体から送信されてくる映像を見ながらドローンを操縦 してレースを競い合う「FPV ドローンレース」も人気です。
FPV ドローン レースでは、順位を競って楽しむものや、チームを作り合計のタイムを競い合 うものがあります。
ドローンレースには、このほかにも30 g~50g という小さなサイズのドロー ンを使って行われる「マイクロドローンレース」や地上から目視で確認をしな がらドローンを操作し競い合う「目視ドローンレース」などもあります。
FPV ドローンレースは、その中でもより高度なテクニックが求められるため、ド ローンの楽しみ方での位置づけとしては上級者向けといえるでしょう。
FPV における4 つの注意点
リアルタイムで空撮を楽しめるだけではなく、バーチャルでありながらもリア ルな空中でのレースも楽しめるFPV。しかしFPV ドローンを楽しむためには ある条件をクリアすることや注意すべきこともあります。
法律に抵触してしまって罰せられることになってしまったり、予想外のトラブ ルを起こさないためにも、特に次の4 つのポイントはしっかりとおさえておき ましょう。
航空法との関係を知る
FPV ドローンの重量が200 gを超えていて、なおかつ操縦者がFPV 専用の ゴーグルやスマートフォンを見ながらFPV ドローンを操縦する場合、操縦者 はFPV ドローンの機体を見ないで操縦している「目視外飛行」に該当してし まいます。
この目視外飛行は航空法の規制対象となっており、無視をして飛行をした場合 は違法となるだけではなく、罰則を受ける可能性もあります。
そのため、目視 外飛行を行うためには国土交通大臣へ申請をし、許可を得る必要があるのです。
許可申請は郵送や直接持ち込みも可能ですが、申請から承認が下りるまでに修 正依頼が入ることが多いため、手軽に修正ができるインターネットを使った申 請方法をおすすめします。
申請にかかる手数料などは無料で、10 営業日以上 の余裕を持たせて申請してください。
無線従事者免許証と無線局免許状を取得する、あるいは資格保有者が監視する
一般的なドローンに使用されている周波数が2.4Ghzであるのに対し、FPVド
ローンに搭載されている「VTX」と呼ばれるビデオ送信機では、海外では主流
の5.8GHz帯の周波数が利用されているケースが多いです。
5.8GHz 帯の周波数は無免許で利用することができず、無免許で利用した場合 は電波法違反により逮捕される可能性もあります。
そのためFPV ドローンを操作する場合は、操縦者自身が
「アマチュア無線技 士4 級以上」
又は
「陸上特殊無線技士3 級以上」
の資格を所有しておく必要が あります。
またこの資格以外にドローンが電波を発信することについても申請 が必要となるため「無線局開局の登録」についても必要です。
※出典:無人航空機の飛行ルール(日本語版)(国土交通省) https://www.mlit.go.jp/koku/content/001414567.pdf
操縦の練習をしっかり行う
一般的にFPV ドローンは、2 本のスティックがついたラジコン用の送信機を用 いて操縦します。
ドローンを操縦する際は周囲の建物や人などと衝突をするこ となく安全にドローンを飛行させることも求められますので、操縦の練習は事 前にしっかりと行っておきましょう。
せっかく高価なFPV ドローンを購入しても、練習で壊れてしまうこともあり ますので、送信機の使い方に慣れるまでは小さなサイズのマイクロドローンを 使ったり、パソコンのシミュレーターなどを使って練習する方法もおすすめで す。
いきなり屋外で練習を始めると、ドローンが破損した場合にパーツを紛失 してしまうなどのリスクもあるため、スペース的に可能であれば、屋内での練 習から初めてみるのも良いでしょう。
初心者は二人以上でスタート
FPV ドローンを操作する際にありがちなのは、ヘッドマウントディスプレイや モニターの映像に集中しすぎて、周囲の状況に注意することができなくなるこ とです。機体のサイズ感や周囲の距離感などを掴めるまで、機体を衝突させて しまうようなことも少なくありません。
そのため操作や機体のサイズ感に慣れるまでは、一人はFPV を楽しみつつ、 一人は目視で周囲の状況を確認するといったように、二人以上でスタートし、 映像と実際の空間との差を把握していくことをおすすめします。
FPV ドローンを選ぶ際のポイント
FPV ドローンを選ぶ際には「操縦を楽しむか」「ドローンレースに出場したい か」という目的によって機体を選ぶと、よりFPV を楽しむことができます。 まず操縦を楽しむ場合は、機体の安定性や操作のしやすさを重視しましょう。
例えば「DJI Phantom(ファントム)」シリーズなどは、安定性に優れており、 初心者にも操作しやすいため、世界的にも人気があります。
そしてドローンレースに出場したいという場合には、レース向けの専用キット
が販売されているため、まずはそういったベーシックなものから選んでみるこ
とをおすすめします。
FPVでよりドローンを楽しもう
ドローンは自分の手で操縦をし、空中を飛行する様子を眺めるだけでも楽しい
ものですが、ドローンの視点で空撮をリアルタイムで見ることができると、実
際に自分が空中を飛んでいるかのような感覚が味わえ、楽しさもひとしおです。
さらにドローンレースに参加すると、非日常的な楽しさと興奮を味わうことも
できます。
ドロサツ!!では、FPVドローンのレンタルを行っています。ドローンの操作に
ありがちな破損や、対人・対物事故などが起こった場合の取り組みも行ってお
りますので、購入前に操作性を試してみたい方など、FPVドローンにご興味を
お持ちの方は是非お気軽にドロサツ!!までお問合せください。
監修者
森本 洸生(もりもと こうき)
株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)
<略歴>
中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。
<所有する資格>
- DJI CAMPスペシャリスト
- DJI CAMPインストラクター
- DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
- 無人航空従事者試験1級
- CRPI公認指導員
- 総飛行時間400時間以上