ドローンによる太陽光パネル点検のメリットと事例紹介

近年、ドローンの普及が高まり、さまざまなシーンでの点検作業にもよく利用されています。高所であっても足場や作業車を必要としないことから、人が直接行きにくい場所での点検の時間短縮やコストダウンに貢献しているのです。

そこで太陽光パネルの点検の際にも、ドローンで作業を行うケースが増えています。

 

では、いったいどのような機材を使ってパネル点検を実施しているのか、機材のご紹介とドローンを活用するメリットをご紹介していきます。

ドローンを活用した点検業務を検討中の方は、ぜひ最後までお読みいただければと思います。

 

ドローンによる太陽光パネル点検とは?

ドローンによる太陽光パネル点検とは、上空を飛行している特殊なカメラを搭載したドローンで空撮を行い、解析したデータを点検業務に活用する手法です。

太陽光パネル点検には、通常の撮影用のカメラ(可視画像)に加え、熱検知カメラがついている機材を使用することが一般的になっています。

太陽光パネルは長期的に使い続けるものなので、不具合の早期発見や定期的なメンテナンスのために点検は必要不可欠です。

しかし、従来は地上から登って人の手でひとつひとつ目視で点検を行っていたため、特に大型の発電所などでは多くの人員や長い点検期間、高額な費用が必要でした。

そこで、人員コストや作業時間を削減するために点検に用いられるようになったのがドローンなのです。

 

ドローンで太陽光パネルを点検する3つのメリット

ドローンを用いた太陽光パネル点検には、さまざまな点で多くのメリットがあります。

 

①安全性の向上

太陽光パネルは山の斜面や足場の悪い場所に設置されていることも多く、従来の手法では作業者の安全に配慮しながら点検を行う必要がありました。

一方、ドローンは点検の対象物から離れた地点での離着陸が可能なため、安全を確保した状態で業務の遂行が可能になります。

広大な土地を歩き回ったり、梯子を使う必要もないため、若手の後継者不足に悩む現場でも導入が進められています。

 

②コスト削減

・人員を必要としない

従来は多くの人員を導入し、全ての太陽光パネルを一枚一枚異常がないかを目視で確認していましたが、ドローン点検では赤外線により異常が発生している箇所を瞬時に察知するため、少人数でも太陽光パネルの点検を行うことができます。

 

・作業効率が良い

上空からの映像を用いて一度に広範囲の太陽光パネルを点検できるため、人員削減に加え作業時間を短縮することができます。従来は広大な敷地内を歩いて回っていたため、点検には長い期間を要しました。


ドローンはGPSを基に自動航行をさせることが可能ため、ドローンの操縦テクニックに左右されず、効率よいルートで航行できるのも大きなメリットです。

 

・点検費用が安い

ドローン点検では、上述のように多くの人員が不要で点検期間も短いため、点検にかかる費用を抑えることができます。

 

また定期的な点検によって異常を早期に発見することができれば、修理費用を安く抑えることができたり、発電効率を高い水準で維持できるため、高額な機材を導入して点検頻度を増やしたとしても、長期的に見るとコスト削減に繋がります。

 

③精度が高く点検報告も効率が良い

ドローン点検では、上空から撮影した映像を用いて太陽光パネルの点検を行うため、従来の目視で行っていた点検方法よりも精度の高いデータの取得が可能になります。

俯瞰した広範囲の撮影だけでなく、太陽光パネルに接近して撮影することもできるため、より詳細に現場の状態を確認することもできます。更には赤外線撮影を用いれば簡単に熱異常の部分を見つけ出すことも可能です。

空撮映像を点検履歴として保存しておくことで、異常が発生した際に、過去の点検履歴を遡って時間経過を確認することができる他、操縦者のスキルに依存しないAIスポット点検機能を活用すれば、点検報告書の作成も効率化することができます。

 

ドローンで太陽光パネルを点検する方法

ドローンを使用して太陽光パネルの点検を行うためには、いくつかのステップがあります。

 

①太陽光パネルの事前調査

まず、太陽光パネルのサイズ・枚数・現場の面積等を把握します。
ドローンの飛行時間には限りがあるため、効率的な飛行を行うために重要な情報となります。

 

②プランニング

事前に調査した太陽光パネル・現場の情報をもとにドローンの機材選定・飛行計画を立てます。

太陽光パネルの点検だけであれば赤外線カメラ、土地の状態も把握する必要がある場合はレーザー測量カメラを組み合わせて使用するケースもあります。

マニュアル飛行を行うのか、自動航行を行うのかという点もあらかじめ決めておきます。

点検範囲をもとに、どの程度バッテリーを用意する必要があるのかも忘れずに確認しておきましょう。

 

③データ収集

飛行計画が終わったら、ドローンによる撮影を開始します。

取得したい内容に応じて、可視画像・赤外線画像・ズーム画像などの保存形式のチェックを行います。

 

④データの編成と処理

取得したデータは赤外線画像専用のソフトウェアや、測量データ用のソフトウェアを活用して編集を行います。

 

どんな機材が点検に使えるの?

太陽光パネル点検に欠かせない、赤外線カメラがついているおすすめの機種を3つ紹介します。

 

DJI Mavic 2 Enterprise Dual

コンシューマー空撮機で知られているMavic2シリーズの産業機バージョン。

赤外線やズーム機能も付いており、産業用ドローンの入門として最適な機体。

用途によってアクセサリーも付け替えることができます。

 

※2023年3月追記

DJIから新たに【Mavic 3 Enterpriseシリーズ】が登場しました。DJI Mavic 2 Enterpriseシリーズ同様にコンパクトな折り畳み設計で、RTK機能にも対応しています。

赤外線カメラを搭載した【Mavic 3 Thermal】は近日中にレンタル受付を開始しますので、入荷通知をご希望される場合はお問合せフォームからご連絡くださいませ。

■お問合せフォームはこちら

 

DJI Matrice 300 RTK+Zenmuse H20T

本格的な大型産業機です。

航空機レベルの情報認識能力を有したMatrice 300 RTKにサーマル(赤外線)カメラのZenmuse H20Tを装着することで、太陽光パネルの調査を行うことができます。

サーマルカメラの他にもさまざまなカメラを取り付けることができるため、1台で幅広い現場に利用できるマルチなドローンです。

 

DJI Matrice 30T

Matriceシリーズの最新機種です。本格的な産業機ながら携帯性に優れた設計となっており、山奥にも快適に持ち運べることが大きなポイントです。

ただしMatrice 300 RTKとは異なり、こちらのモデルはカメラの付け替えが出来ない為ご注意ください。

 

ドローンによる太陽光パネル点検のまとめ

この記事では、ドローンを用いた太陽光パネル点検について、メリットや点検方法、またおすすめの機種について解説しました。

屋外に設置している太陽光パネルは不具合が発生することも多いため、定期的な点検が重要となります。点検期間・コスト・精度で多くのメリットがあるドローン点検は、今後拡大していくことでしょう。

 

ドローンレンタルのドロサツ‼では、空撮用や産業用ドローン、水中ドローンなど幅広い用途のドローンレンタルが可能です。

個人の方も法人の方も、ドローンのレンタルなら機体保有台数業界No.1のドロサツ‼にご相談ください。

監修者

監修者の写真

森本 洸生(もりもと こうき)

株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)

<略歴>

中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。

<所有する資格>

  • DJI CAMPスペシャリスト
  • DJI CAMPインストラクター
  • DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
  • 無人航空従事者試験1級
  • CRPI公認指導員
  • 総飛行時間400時間以上
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