飛行方法によって複雑なルールがあるものの、小型ドローンでも大型ドローンでも、飛行申請さえすれば基本的に誰でも飛ばすことができます。
しかし、先日国交省よりアナウンスされた通り、「レベル4飛行の実現に向けた新たな制度整備等」という内容で、ついに日本でもドローンの国家資格が登場することになりました。
具体的に、誰がどのような場面で対象となるのか?ドローンの免許制(国家資格)が施行されることとなった背景と、今後どういった影響を与えるのかについて解説していきます。
ドローンの免許はいつから必要になるのか?
まず気になるのが、いつから制度がスタートするのかという点ですよね。
以下、国交省の資料から抜粋してご紹介します。
○ 2022年(令和4年)12月頃の新制度施行を目指し、関係者の意見等を踏まえながら、今年度中に機体の安全基準の方向性を示す。
○ 登録検査機関については、2022年9月の登録受付開始を目指し、今年度中に登録要件の方向性
"2022年12月頃の施行を目指す"とあるので、あと半年程度という事になります。
今月からスタートする機体登録制度では、直前にシステムトラブルが続いたり、リモートIDについて様々な情報が飛び交ったりと混乱していましたが、免許の取得が必要となる方はそろそろ動き出す必要がありそうです。
ドローンの免許を取得した場合の飛行制限は?
従来は、航空法や小型無人機等飛行禁止法、道路交通法、民法、電波法、地域別規制など、数多くの法律でドローンの飛行を制限していました。とはいっても、ルールさえきちんと守れば、誰でも比較的簡単にドローンを飛ばすことができました。
一方、これまでも"ドローンの資格"というものはいくつか存在しており、安全な操縦をするための施策として、JUIDA(ジュイダ)やDPA(ディーパ)などのドローンの協会が民間の資格を発行しています。
「じゃあこれまでの民間資格と何が違うの?」というところですが、今回のドローン国家資格導入にあたり、従来のドローン規制とのルールが区分けされることが予想されます。
上記図にある「レベル4」はこれまで認められていませんでしたが、今回の新制度施行にあたり、この飛行を可能にしようという計画なのです。
ドローン免許制度に向けた「機体認証制度」について
今月からスタートする機体登録制度や免許制度が整備されることになった背景として、これまでドローンのルールは非常に曖昧な部分が多く、国内で急速に普及していく中で事故やトラブルが頻発することが大きな問題となっていました。
そこで、機体登録制度が車のナンバープレート、国家資格が運転免許だとすると、車には車検が必要であるように、ドローン自体の安全性を示す必要があるのでは?ということになりますよね。
これについては、同じく2022年12月の施行を目指し、現在も議論が行わなれています。
国が機体の安全性や規格などの基準を設け、認証を受けた機体のみ飛行を許可するというもので、機体の安全基準の設定や、設計・製造過程での実機検査を想定しているようです。
ドローン国家資格のメリットは?
従来の民間資格を取得した方からすると、また資格を取得しないといけないの?国家資格を取得するメリットって何?と思われる方も多いと思います。
ビジネスでドローンを扱う人にとって、民間資格は一定のスキルの証明になるものの、何も取得していない状態であっても業務を行うことができ、資格自体が非常に曖昧な立ち位置となっていました。
しかし国家資格化されることで国が一定のスキルを認めることになるため、ドローンパイロットにとっては大きなメリットであると言えるのではないでしょうか。
※すでに国交省認定の民間資格を取得している方は、優遇処置もあります
ドローン国家資格の試験内容は?
気になる試験内容ですが、すでに公開されている情報は以下の通りです。
学科試験
<形式>三肢択一式(一等:70問 二等:50問)(CBT方式)
<試験時間>一等:75分程度 二等:30分程度
<試験科目>操縦者の行動規範、関連規制、運航、安全管理体制、限定に係る知識 等
<有効期間>合格後2年間
実地試験
<試験科目>飛行前のリスク評価、手動操縦、自動操縦、緊急時対応、飛行後の記録 等
まとめ
6月に機体登録制度がスタートし、12月には新しい免許制度が施行予定と、ドローンに関するルールは日々目まぐるしく変化します。
来月7月には、新制度の詳細(ライセンス制度や機体認証制度について)が決定されるので、今後も国交省の発表を注目していきたいと思います。
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監修者
森本 洸生(もりもと こうき)
株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)
<略歴>
中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。
<所有する資格>
- DJI CAMPスペシャリスト
- DJI CAMPインストラクター
- DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
- 無人航空従事者試験1級
- CRPI公認指導員
- 総飛行時間400時間以上