DJI MavicシリーズAir2sとMavic 3の性能比較

ドローンといえば"Mavic"というワードを思い浮かべるほど、国内外問わず定番機種となったDJIのMavicシリーズ。
初代Mavic Proから始まり、昨年上位モデル「DJI Mavic 3 Cine」が登場したことも大きな話題となりました。
 
 
 
 
これまで、カメラマン御用達のドローンといえばPhantomシリーズというイメージが強かったものの、こちらは製造終了となったこともあり、今後は益々Mavicシリーズが主流となっていきそうです。
 
 
今回は、これからドローンに挑戦してみたい!という初心者の方におすすめしたいドローンや、どれが自分に合っているのか分からないという方に向けて、色々なポイントを比較しながらご紹介していきます。
 

初心者からプロまで絶大な人気を誇るDJI Mavicシリーズ

 「DJIのドローンは種類が多すぎて違いがわからない!」という状態になっている方の為に、まずは初代Mavic ProからMavic 3 までの簡単な年表をまとめてみました。
(今回はMavicシリーズとAir2sどちらがいいのか?という記事なので、Mavic Proより前に発売されているPhantomシリーズの詳細については割愛させていただきます。)
発売時期 商品名  
2015年4月 Phantom3
2016年3月 Phantom4
2016年10月 Mavic Pro ​この機材の登場で使いやすい空撮機として認知度が上がっていく
2017年10月 Mavic Pro Platinum ​Proの高スペック版
2018年1月 Mavic Air Proより一回り小さくなり、携帯性に特化したデザインに変更
2018年5月 Phantom4 pro V2.0
2018年8月 Mavic2 Pro・Mavic2 Zoom Proとほぼ同じサイズ感で飛行・カメラ性能が大幅に向上。老舗カメラメーカーとのコラボや、これまで無かったZoom機能を搭載。
2018年10月 Mavic2 Enterprise Mavic2にZoomカメラを搭載し、各種モジュールに対応した産業機モデル
2018年12月 Mavic2 Enterprise Dual Mavic2 Enterpriseに赤外線カメラを搭載した産業機モデル
2019年11月 Mavic Mini 日本の航空法を意識した199gモデル
2020年5月 Mavic Air2 Mavic Airより一回り大きくなり、飛行・カメラ性能が大幅に向上
2020年11月 Mavic Mini2 199gで驚異の4Kカメラ搭載
2020年12月 Mavic2 Enterprise Advanced Mavic2 EnterpriseにRTK機能を追加した産業機モデル
2021年4月 Mavic Air2S 5Kカメラ搭載したMavic Air2の上位モデル
2021年11月 Mavic3・Mavic3 Cine 最新空撮機(2022年4月現在)
 
年表からも分かるように、DJI Mavicシリーズはコンスタントに新製品が登場しています。
 
合間合間に発表されているPhantomシリーズは、テレビ局などでも使用されることが多いプロ向けの中型機ですが、Mavicシリーズは199gの小型機から業務にも使える本格的なカメラを搭載したモデルまで展開されており、初心者からプロまで幅広いニーズに対応したラインナップとなっています。
 
また産業用ドローンといえば大型で高額なものばかりが出回っていましたが、Mavic 2 Enterpriseシリーズは折り畳み可能なコンパクト設計となっており、業務用ドローンが急速に普及するきっかけにもなりました。

DJI Mavic 3とDJI Air2sの比較

さて、現在は2022年4月。昨年発表されたばかりの最新作DJI Mavic 3と、「このサイズ感でこのカメラ機能はバグ」と言われる(?)DJI Air2sを比較していきたいと思います。
 
 
 

飛行性能について

まずは飛行性能について見てきましょう。
もちろんカメラ性能は大事ですが、どの程度のスピードが出るのか、何m先まで飛ばせるのか、何分飛行できるのかも重要なポイントです。
 Air 2s Mavic 3
最大飛行速度(海抜ゼロ地点・無風) ​5 m/s(Cモード)
15 m/s(Nモード)
19 m/s(Sモード)
    ​5 m/s(Cモード)
    15 m/s(Nモード)
    21 m/s(Sモード:EU以外) 19 m/s(Sモード:EU)
      限界運用高度 5000 m 6000 m
      最大飛行距離 18.5 km 30 km
      最大ホバリング時間(無風) 30分 40分
      最大飛行時間(無風) 31分 46分
      最大風圧抵抗 10.7 m/s 12 m/s
      最大傾斜角度と最大角速度
      ​35°(Sモード
      250°/秒(Sモード)
      90°/秒(Nモード)
      60°/秒(Cモード)
      25°(Cモード)
      30°(Nモード)
      35°(Sモード)
      200°/秒
      動作環境温度 0℃~40℃ -10℃~40℃
       
      売当初、DJI Air2sが30分飛行できるという点で大きな話題となりましたが、DJI Mavic 3は産業機並みの40分超え。そして飛行距離もMavic3の方が格段に伸びています。
       
      電波や充電が持つかヒヤヒヤしながら飛ばしていた方も、これなら遠くからダイナミックな撮影にチャレンジできそうですね!
       
      そして動作環境温度も氷点下まで対応可能となっており、DJI Mavic 3を使えば冬の北海道でもきれいな雪景色が撮影できそうです。
       

      カメラ性能について

       DJI Air2s DJI Mavic 3
      センサー
      1インチCMOS
      有効画素数:20 MP、2.4μm ピクセルサイズ
      4/3型CMOS、有効画素数:20 MP
      レンズ
      FOV:88°
      35 mm判換算:22 mm
      絞り:F2.8
      撮影範囲:0.6 m~ ∞
      FOV:84°
      焦点距離:24 mm(35mm判換算)
      絞り:f/2.8〜f/11
      フォーカス:1 m 〜 ∞(オートフォーカス時)
      ISO感度
      動画:
      100-3200(オート)
      100-6400(マニュアル)
      10ビット Dlog-M動画:
      100-800(オート)
      100-1600(マニュアル)
      写真:
      100-3200(オート)
      100-12800(マニュアル)
      動画:100〜6400
      写真:100~6400
      シャッター速度
      電子シャッター:8〜1/8000秒
      静止画サイズ
      20 MP
      5472×3648 (3:2)
      5472×3078 (16:9)
      メインユニット:5280×3956
      静止画モード
      シングルショット:20MP
      バーストショット:20 MP(連続バースト撮影)
      オート露出ブラケット(AEB):20 MP、3/5枚(0.7EVステップ)
      タイマー:20 MP、2/3/5/7/10/15/20/30/60s
      スマートフォト(HDRとハイパーライト含む):20 MP
      HDRパノラマ[2]:
      垂直 (3×1):3328×8000(幅×高さ)
      広角 (3×3):8000×6144(幅×高さ)
      180° (3×7):8192×3500(幅×高さ)
      スフィア (3×8+1):8192×4096(幅×高さ)
      JPEG/DNG (RAW)
      シングルショット:20MP 写真
      オート露出ブラケット(AEB):20 MP、3/5枚(0.7EVステップ)
      タイマー:20 MP、2/3/5/7/10/15/20/30/60秒
      動画解像度
      5.4K:5472×3078 @ 24/25/30 fps
      4K Ultra HD:3840×2160 @ 24/25/30/48/50/60 fps
      2.7K:2688x1512 @ 24/25/30/48/50/60 fps
      FHD:1920×1080 @ 24/25/30/48/50/60/120 fps
      MP4/MOV (H.264/MPEG-4 AVC、H.265/HEVC)
      Apple ProRes 422 HQ
      5.1K:5120×2700@24/25/30/48/50fps
      DCI 4K:4096×2160@24/25/30/48/50/60/120*fps
      4K:3840×2160@24/25/30/48/50/60/120*fps
       
      H.264/H.265
      5.1K:5120×2700@24/25/30/48/50fps
      DCI 4K:4096×2160@24/25/30/48/50/60/120*fps
      4K:3840×2160@24/25/30/48/50/60/120*fps
      FHD:1920×1080p@24/25/30/48/50/60/120*/200*fps
       
      * 上記フレームレートは、録画フレームレートです。動画はスローモーション動画として再生されます。
      動画 最大ビットレート 150 Mbps H.264/H.265ビットレート:200 Mbps
      対応ファイルシステム
      FAT32/exFAT
      最大容量256GBまでのmicroSDカードに対応。
      exFAT
      写真フォーマット
      JPEG/DNG (RAW)
      動画フォーマット
      Mavic 3:
      MP4/MOV (MPEG-4 AVC/H.264、HEVC/H.265)
       
      Mavic 3 Cine:
      MP4/MOV (MPEG-4 AVC/H.264、HEVC/H.265)
      MOV (Apple ProRes 422 HQ)
      デジタルズーム
      ​10ビット動画や120fps動画を撮影中は、ズーム撮影できません。
      4K/30fps:4倍
      2.7K/60fps:4倍
      2.7K/30fps:6倍
      1080p/60fps:6倍
      1080p/30fps:8倍
      ※ここではDJI Mavic 3のスペックについて、Hasselbladカメラのスペックを紹介しています。DJIのHPには望遠カメラについてもスペックが載っているので、気になる方はこちらをご覧ください。
       
      ※DJI Mavic 3シリーズはDJI Mavic 3とDJI Mavic 3 Cineの2つのモデルを展開しています。Mavic 3 Cineモデルはさらに高度な撮影に適しており、Apple ProRes 422 HQコーデックに対応、より柔軟な動画編集を行うことができます。
       
       
       

      販売価格について

      DJIの公式ストアを見てみると…
       
      ・DJI Mavic 3:239,800円
      (ちなみにFLY moreコンボは327,800円、Cine Premiumコンボは583,000円)
      ・DJI Air2s:119,900円
       
      正直、スペック比較ではDJI Air2sに勝ち目はありませんが、DJI Mavic 3の販売価格が大きなネックとなります。
      一番安い単体商品でもDJI Air2sの2倍、最上位モデルのCine Premiumコンボに至っては5倍近くにもなります。
      これを即決するにはなかなかの勇気がいりますね。
       
       

      DJI Mavic 3とDJI Air2sの活用ポイント

      同じMavicシリーズとはいえ販売価格に大きな開きがありますが、それぞれのドローンにはそれぞれの良さがあります。
      ドローンを選ぶときは単純にスペックで比較するよりも、実際にどのような場所で飛行させるのか、どんな機能を使う予定なのか、譲れないポイントはどこなのかを考えることが大切です。
       

      映像制作を楽しむ

      まずDJI Air2sです。
      DJI Air2sは従来機よりも色表現が増えて色鮮やかに、そしてカメラで撮ることがなかなか難しい夜景も美しく撮れるようになったことをアピールしています。
       
       
       
       
      DJI Air2sだけでも充分素晴らしい画像・映像が撮れることが分かります。
      サイトに掲載されている写真のような街中で飛ばすことはなかなか難しいものの、小型モデルだからこその迫力あるスピード感ある映像を楽しむことができます。
       
      続いてDJI Mavic 3です。
      今回はMavic 2の時から採用されているハッセルブラッドカメラのすばらしさを前面に推し出しています。
       
       
      夕焼けなど光の加減が難しい撮影状況でも、まるで裸眼で見ているかのように景色をそのまま映し出してくれています。
      旅先での気軽な撮影だけでなく、これはもう映画や本格的なプロモーションビデオの撮影には全く問題がないのではないでしょうか。
       
      やはりカメラ性能としてはDJI Mavic 3に軍配が上がりますが、趣味での利用がメインとなる方や、手軽にドローン空撮を始めてみたいという方には少々オーバースペックな気がしますね。
       
       

      気軽に操縦練習をする

      次は操縦のしやすさ、持ち運びのしやすさについて比べてみます。
      せっかく買ったけど重くて持って歩くのが嫌、使い方が複雑で覚えられないということになったら勿体ないですよね。
       DJI Air2s DJI Mavic3
      離陸重量 595 g Mavic 3: 895 g Mavic 3 Cine: 899 g
      サイズ 折りたたんだ状態: 180×97×77 mm(長さ×幅×高さ) 展開時: 183×253×77 mm(長さ×幅×高さ) 折りたたみ時(プロペラなし) 221×96.3×90.3 mm(長さ×幅×高さ) 展開時(プロペラなし) 347.5×283×107.7 mm(長さ×幅×高さ)
      対角線長 302 mm 380.1 mm
      バッテリー重量 198g 335.5g
      サイズ感はDJI Air2sよりDJI Mavic 3の方が大きく、重量に関しても、バッテリーを装着していることを考慮すると、Air2sは800gほどで済むのに対してMavic3は1㎏を超えるので重くなりますね。
       
      またDJIから発売されているソフトケースのサイズも、DJI Air2sよりDJI Mavic 3の方が2倍近く大きいため、DJI Mavic 3を旅行の際に持って歩くのは少々大変かもしれません。
       
       

      仕事に活用する

      一般的に空撮用ドローンの業務利用といえば、
       
      ①PVやCM、映画撮影などの映像制作系
      ②屋根や外壁点検のために不動産業や建築業で活用されるケース
       
      この2種類があります。
       
      前者の場合は映像の質が命になるので、やはりDJI Mavic3がおすすめです。
      最上位機種が"Mavic3Cine"と名付けられていることからも分かるように、映画等の本格的な撮影にも使えるドローンとしてDJIが自信をもって開発したモデルです。
       
       
       
       
      一方、後者の場合は、特殊な技法を用いて撮影するケースは少なく、屋根などの目的対象物の状態が把握できれば良いので、DJI Air2sでも充分活用できるでしょう。
      建物の周りには電線など多くの障害物があるため、コンパクトなDJI Air2sの方が安心して飛行させることができそうです。
       
       

      購入前のお試しレンタル・リースを活用しよう

      さて、ここまで読んでもまだどちらの機体にしようか悩んでいるあなたには、
      購入前にドローンをレンタルするのがおすすめです!
       
      買ってから後悔しないためにも、購入前に確認すべきポイントをご紹介します。
       

      ①携帯性・ドローンのサイズ感等

       まず、実際に使い勝手が良いかという問題です。
       
      人間は少しでも煩わしさを感じてしまうと使用頻度が下がるものです。
      「持って歩くのに重たいかも・・・」「いつものリュックに入らない・・・」「セッティング面倒くさい・・・」と感じてしまったら使わなくなる可能性大です。
       

      ②飛行中のモーター音

       思ったよりも音が大きく、人目が気になっておもうように飛ばせなかった…ということもあるかもしれません。基本的にDJIのドローンは静音設計とはいえ、機体のサイズ感に比例してそれなりにモーター音が大きくなってしまいます。
      こちらも購入する前にレンタルで一度飛行させてみると良いでしょう。
       
       

      ③オプション品の必要性・維持費

      基本セットを買ってしまうと、次にはあれが欲しいこれが欲しい…という願望が出てくることも多いドローン。しかしオプション品の値段もあなどれません。
       
      車の維持費のように、機体自体が高額だと必然的にそのオプション品も値段が高くなっていくということもしばしば。初期費用と維持費を正確に把握するために、気になるオプション品はドローン本体と一緒にレンタルして使ってみましょう。
       
       

      ④使用頻度

      ドローンは精密機器のため、使わずに長期間放置することは故障の元となります。
      短期レンタルの他、毎月一定額で使えるサブスクサービスやリースを活用し、所有しないという選択も考えてみてはいかがでしょうか。
       

      まとめ

      いかがでしたでしょうか?Air2sかMavic3か…使いたいドローンは決まりましたか?
      それでもまだ決まらない…まずは試しに使ってみたい!という方は、
      ぜひドロサツ!!でレンタルしてみてくださいね!

      ドローンレンタルのドロサツ‼では、空撮用や産業用ドローン、水中ドローンなど幅広い用途のドローンレンタルが可能です。

      個人の方も法人の方も、ドローンのレンタルなら機体保有台数業界No.1のドロサツ‼にご相談ください。

      監修者

      監修者の写真

      森本 洸生(もりもと こうき)

      株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)

      <略歴>

      中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。

      <所有する資格>

      • DJI CAMPスペシャリスト
      • DJI CAMPインストラクター
      • DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
      • 無人航空従事者試験1級
      • CRPI公認指導員
      • 総飛行時間400時間以上
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