ドローン「Karma」は、アクションカメラで有名なGoProが発売した小型空撮用ドローンです。
高画質なGoProを装着できるということで、GoPro愛好家やアウトドア好きな人々を中心に支持を集めました。
世界的に有名なドローンメーカーDJIとは異なり、レジャーをより楽しむために作られたドローンです。
しかし、残念ながらGoPro社製のドローンとしては「Karma」が最初で最後になってしまいました。
今回はGoProを装着できるドローンとは一体どんな機体なのかを解説していきます。
GoProとは
GoPro社(ゴープロ)は2002年に設立されたアメリカの企業で、アクションカメラや関連アクセサリーの開発・製造・販売を行っています。
アウトドアやアクティビティを楽しむ人を対象に、高品質な映像と写真が撮影できる製品を提供してきました。特に社名にもなっているアクションカメラGoProは有名ですね。
そもそもの始まりは、自然の中を探検する際に水中でも使える高画質ヘルメットカメラを製造していたブランドでした。
アクションカメラGoProにはいくつかのモデルがあり、どれも手のひらに収まるくらいのサイズ感で、さまざまに場所に取り付けることができるのが大きな特徴です。
激しく動きながらの撮影はもちろんのこと、濡れても大丈夫な防水仕様だからこそ、水中、スポーツ、アウトドア、旅行にと幅広く活用できます。
GoProのドローン「Karma」のスペック
「アクションカメラで有名なGoProが、そのカメラを搭載できるドローンを作った」と聞いて、発売当初はワクワクした人も多いのではないでしょうか。
Karmaは機体そのもので、他に専用コントローラー、ジンバル、カメラマウント、KarmaGrip、専用ケース等がセットになっています。
このセットにカメラは入ってないので、別売りのGoProをジンバルに装着する必要がありましたが、のちにカメラが付属しているセットも発売されました。
- 機体重量:1006g
- 365.2×411×117mm(展開時・プロペラなし)
- 最大飛行距離:20分
- 最高速度:15m/s
- 最大風圧抵抗:10m/s
- パッケージサイズ:54.7×34×17.7cm
- パッケージ重量5kg
折りたたみ式はありますが、DJIから発売されているコンシューマー機と比較すると、機体の大きさも重量も上回っていますね。
「Karma」の特徴
アクションカメラ界の王座に君臨するGoProが作ったドローン、それが「Karma」です。
意外にも日本ではあまり知られていないように感じますが、「Karma」の特徴や、どのようなメリットがあるのかご紹介していきます。
①ドローンから外しても使える
「Karma」は取り外し式のジンバルで搭載しており、ドローン本体からカメラを取り外して単体で使用することが可能です。
GoProの一番メインのカメラはHEROシリーズというアクションカメラで、アスリートやYouTuberに人気です。強力な手ブレ補正機能があるので、ジンバルがなくても滑らかな映像が撮影できるのが特徴です。
「Karma」に搭載されているカメラは“HERO5 Black”でブレ補正機能はもちろんのこと、水深10mまで耐えられる防水カメラです。
Karmaに同梱されている3軸ジンバルが付いたハンドグリップ(単体で数万円します)を使えば、手持ちアクションカメラとして使うこともできます。
ドローンでも単体でも使えるというのは魅力的ですね。
②4K撮影が可能
「Karma」に搭載しているアクションカメラ“HERO5 Black”は高性能で4K動画撮影に対応しています。
また、1200万画素の静止画が撮影できることと、単写、連写に加えタイムプラス機能もあります。
元々、単体でも販売されている、衝撃に強く、防水性が優れて雨・風・雪に耐えられるカメラなので、撮影の幅は広いといえます。
カメラ画質が素晴らしいドローンです。
③GoProのカメラでカスタムが可能
“カスタム“とは、お客の注文で作る特別仕様の事。オーダーメイドとか特別仕様といった意味がありますね。
「Karma」は取り外し式のジンバルを搭載しているため、カメラの付け替えが可能です。
HERO6とHERO5は互換性があるので、ご自身の好きなアクションカメラを取り付けることができるのです。
すでにGoProはドローン事業から撤退しているものの、機体が現役であれば、最新のファームウェアにアップデートしながらカメラを最新に変えることもできます。
④付属のカバーをバックパックとして使える
大きな特徴として、専用ケースはバックパックになっていて保管用にも輸送用にもなります。しっかりした作りで5kgと重さがありますが、リュックとして背負うことができるので移動の時も重さを感じず便利です。
特にドローンの持ち運びをしながら両手が空くというのは便利ですね。
⑤LEDを搭載している
モーター部の下部にはかなり明るい赤色と緑色のLEDライトが仕込まれており、昼間の屋外でも視認性がかなり高いです。
四方で光るので見失うことを防ぐことができますね。
「Karma」を飛行させるときの注意点
使い勝手が良い「Karma」にもいくつかの注意点があります。
安全に撮影を楽しむために下記情報を参考にしてください。
①GPSが不安定な場合がある
2020年に「Karma」がGPSを受診出来ないことを示すエラーインジケーターが点滅しているとの報告が世界各地であがりました。
それ以前から電源が落ちるなどの不具合が発生して、全リコールされたことがあります。
問題発生後にアップデートがあり問題は解決しましたが、KarmaのGPS信号の処理に問題発生の可能性が高そうです。安心感という点では大手のドローンの方が上でしょうか。
②センサーが少ないため障害物に衝突するケースがある
DJI機との決定的な違いは、センサーの少なさです。
現在販売されているカメラ付きドローンには自動で障害物を避ける障害物回避機能が搭載されていますが、「Karma」には前後左右の障害物を自動でよける機能はありません。
マニュアル操縦も出来るので手動で避けることも出来ますが、全くの初心者にはお勧めできません。GPSを利用して手元へもどってくる機能はありますが、障害物を避けられない可能性があります。
離着陸時はある程度の高度を維持しながら手元に戻るようにするため飛行技術が必要になります。
GoProのカメラ「HERO」を他社のドローンに取り付ける方法
アクションカメラGoProの「HERO」を他社のドローンに取り付けても使えるのでしょうか?装着が可能なら使ってみたいですよね。
答えとしては、"条件付き"で使えます。
なお、カスタマイズはメーカー保証を受けられないことが多く、法規制をクリアできない可能性もあるので、改造は自己責任でお願いします。
カメラマウントを購入する
最も簡単な方法です。購入したドローンに最初からカメラマウントが付いている機種もありますが、単体で購入して取り付けることも出来ます。
カメラマウントとは・・・
例えば一眼レフやミラーレスカメラは、ボディにレンズを装着して撮影します。マウントとは、カメラボディと交換レンズの結合部品のことをいいます。ボディとレンズのマウントが同じなら使える、違うと使えないということになります。
カメラマウントを自作する
ホームセンター等で売っている金具を組み合わせて作ったり、3Dプリンターを使って自作している人もいます。youtubeなどで検索すると自作ドローンを使っている人の多さに驚きますね。
しかしドローンが飛行する上空は強い風が吹いていたり、突風であおられる可能性もあるため、よほど慣れている方でない限りお勧めはできません。
「HERO」を他社のドローンに取り付ける際の注意点
GoProがどんなに高性能でも、そもそも「Karma」に取り付けることが前提なので、「HERO」を他社のドローンに取り付ける際は色々とデメリットもあります。
①カメラの角度を動かせない
「Karma」には3軸ジンバルが搭載されているので、送信機からの遠隔操作でカメラの向きを変えることができます。
しかし、他のドローンに「HERO」を取り付ける場合、ジンバルが搭載されていて且つ送信機で制御できなければ角度を変えられません。ドローンの角度そのものを変える必要があります。これはアングルの変更がちょっと面倒ですね。
②ブレが激しくなる
GoProカメラ自体に強力な手振れ補正機能が付いてはいますが、ドローン独特の細かなブレはなかなか吸収しきれません。
撮影した動画は一昔前のハンディカメラのような映像になってしまう可能性があることは念頭においておきましょう。
③バランスを崩す可能性がある
カメラを載せるとバランスが崩れて重心が安定しなくなってしまいます。わずかな風でもバランスが崩れてしまうかも。
そうならないために、ドローンはかなり緻密に設計されています。
GoProを載せられるだけの耐荷重があるドローンであることを確認しておきましょう。また取り付ける時には重心をしっかりと確認することが重要です。
まとめ
GoProを装着できる「Karma」を手に入れることができれば、アウトドア派にとっては楽しめるドローンだと思います。他のドローンに取り付けるのはリスクがあるので、できれば状態の良い中古品を手に入れたいですね。
確かな技術力を武器に、ドローン業界に参入したGoPro。ただし、物には一長一短があるもの。
「GoProが出したドローンを飛ばしたい!」という方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
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監修者
森本 洸生(もりもと こうき)
株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)
<略歴>
中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。
<所有する資格>
- DJI CAMPスペシャリスト
- DJI CAMPインストラクター
- DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
- 無人航空従事者試験1級
- CRPI公認指導員
- 総飛行時間400時間以上