先日、産業用ドローンを代表するDJIの人気機種Matriceシリーズから、最新モデル「Matrice 300 RTK」が登場しました。 これまでのMatrice 200 V2シリーズとは少し変わったビジュアルで、搭載するジンバルカメラも新たに発表されて話題になりましたね。
今後、空の産業を牽引する存在になると思われるMatrice 300 RTKですが、従来のMatrice 210 RTK V2とは一体何が違うのでしょうか?
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これから産業用ドローンの利活用を検討している方向けに、それぞれのドローンの特徴や違いをご紹介していきます!
------------------------- Matrice 200 V2シリーズ間の比較についてはこちら↓ 【Matrice徹底調査!】販売価格は?どこで買えるの?機種毎の違いって?人気シリーズを比べてみた
2020年12月追記:DJIより、測量特化型の新たなジンバルカメラ「Zenmuse P1/L1」が登場しました! 詳細はこちら↓ 【測量特化型Zenmuseシリーズ登場】何がどう新しいのか?Matrice 300 RTK対応のP1とL1について調べてみた
-------------------------1.Matrice 210 RTK V2とMatrice 300 RTKの特徴
まずは、それぞれの機体のざっくりとした特徴をご紹介します。ともにRTK機能を搭載したドローンではありますが、M210 RTK V2とM300 RTKは全くの別物です。
1-1.点検も測量もOK!様々なジンバルカメラを搭載できる産業用ドローン
・FPVカメラ
・衝突防止ビーコン
・ディスクリートモード
・Mobile SDKに対応
・DJI SkyPortに対応
・TimeSync
・Onboard SDKに対応
・搭載デバイスに電力を供給
・高性能RTKモジュール内蔵
・D-RTK 2 モバイルステーションに対応
Matrice 200シリーズがバージョンアップし、昨年Matrice 210 V2シリーズが登場しました。
M210 RTK V2はその最上位機種となっており、下方デュアルジンバル(カメラが2台装着できる)と上方シングルジンバル(機体の上にもカメラを1台装着できる)に対応しており、用途に応じて様々なジンバルカメラを搭載することが可能です。
またRTK機能を使用することで、精度の高い位置情報を取得できるため、測量に適したドローンとして人気を博しています。(Phantom 4 RTKも同様ですが、こちらはジンバルカメラのカスタマイズができません)
カメラを組み合わせて幅広い分野での活用ができるため、マルチに使える産業機が欲しいという方に人気の機種です。
1-2.これまでの常識を覆す!?次世代型の産業機
・最大伝送距離15 km1
・衝突防止ビーコン
・最大飛行時間55分
・6方向検知&測位技術
・プライマリーフライト ディスプレイ
・保護等級 IP45
・動作環境温度 -20°C ~ 50°C
・ホットスワップ対応バッテリー
・UAV状態管理システム
・Waypoints 2.0
・スマートトラック
・衝突防止ビーコン
・最大飛行時間55分
・6方向検知&測位技術
・プライマリーフライト ディスプレイ
・保護等級 IP45
・動作環境温度 -20°C ~ 50°C
・ホットスワップ対応バッテリー
・UAV状態管理システム
・Waypoints 2.0
・スマートトラック
一方、おなじく名前に”RTK”が付くMatrice 300 RTKですが、こちらは点検業務に特化した設計となっています。(もちろん測量への利用も可能ですが、現時点でDJIから測量向けのカメラが発売されていません)
これまでの常識を覆すようなとんでもないスペックで、まさに他の産業機の追従を許さないといった感じです。(詳しくはスペック表をご参照ください)
また、Matrice 300 RTK用に新たに開発されたジンバルカメラ「H20シリーズ」が、これまたとんでもなく便利な代物です!
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2. Matrice 210 RTK V2とMatrice 300 RTKを比較してみる
それでは、それぞれの機体のスペックを比較してきましょう。
2-1.機体性能の違いは?
Matrice 210 RTK V2
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Matrice 210 RTK V2
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サイズ | 展開状態、プロペラとランディングギアを含む: 883×886×427 mm 折りたたみ状態、プロペラとランディングギアを除く:722×282×242 mm |
展開状態、プロペラは除く:810 × 670 × 430 mm(長さ×幅×高さ) 折りたたんだ状態、プロペラとランディングギアを含む:430 × 420 × 430 mm(長さ×幅×高さ) |
重量(シングル下方ジンバル搭載時) | 約 4.91 kg (TB55バッテリー2個搭載時) | 約 6.3 kg(TB60バッテリー2個搭載時) |
最大ペイロード | 1.23 kg | 2.7 kg |
最大離陸重量 | 6.14 kg | 9 kg |
ホバリング精度 (GPSあり、Pモード) | 垂直方向:±0.5mまたは0.1m(下方ビジョンシステム有効時) 水平方向:±1.5mまたは±0.3m(下方ビジョンシステム有効時) | 垂直: ±0.1 m(ビジョンシステム有効時) ±0.5 m(GPS有効時) ±0.1 m(RTK有効時) 水平: ±0.3 m(ビジョンシステム有効時) ±1.5 m(GPS有効時) ±0.1 m(RTK有効時) |
最大角速度 | ピッチ: 300°/s、ヨー: 120°/s | ピッチ: 300°/s、ヨー: 100°/s |
最大上昇速度 | 5 m/s | Sモード:6 m/s Pモード:5 m/s |
最大下降速度(垂直) | 3 m/s | Sモード:5 m/s Pモード:3 m/s |
最大飛行速度 | Sモード/Aモード:81 km/h、Pモード:61.2 km/h ※(シングル下方ジンバル(ジンバルコネクター I) | Sモード:23 m/s Pモード:17 m/s |
最大風圧抵抗 | 12 m/s | 15 m/s |
最大飛行時間 | 33 分 | 55分 |
対応ジンバル構成 | シングル下方ジンバル、デュアル下方ジンバル、シングル上方ジンバル | シングル下方ジンバル、デュアル下方ジンバル、シングル上方ジンバル、シングル上方ジンバル +シングル下方ジンバル、トリプルジンバル |
保護等級 | IP43 | IP45 |
GNSS | GPS+GLONASS+BeiDou+Galileo | GPS+GLONASS+BeiDou+Galileo |
動作環境温度 | -20℃ ~ 50℃ | -20°C~50°C |
まず目に飛び込んでくるのが飛行時間の違いですよね・・・。この大きな機械が1時間近く飛ばせるなんて信じられません。
なお、M300 RTKはこれまでのMatriceシリーズをひっくり返したようなデザインをしていますが、これは空気抵抗を最大限カットして安定的に長く飛行させるためとのことです。(撮影をしていると、プロペラがカメラに映りこみます) Matrice 300 RTKのレンタルなら「ドロサツ!!」
2-2.搭載可能なジンバルカメラは?
Matrice 210 RTK V2
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Matrice 300 RTK
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対応 DJI ジンバル | Zenmuse X4S/X5S/X7/XT/XT2/Z30 | Zenmuse XT2 / XT S(日本未発売)/ Z30 / H20 / H20T / P1 / L1 |
ちょっと残念な気もしますが、これら2つの機種間では互換性のないジンバルカメラが多数あります。
しかし、その分(?)新たに開発されたH20シリーズはこれまでにない統合型カメラとなっており、1つで様々な役割を果たしてくれる優れものです。
Zenmuse H20
トリプルセンサー ソリューション
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20 MP ズームカメラ
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12 MP 広角カメラ
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1200 m LRF
Zenmuse H20T
クワッドセンサー ソリューション
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20 MP ズームカメラ
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12 MP 広角カメラ
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1200 m LRF
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640×512 px 放射分析サーマルカメラ
3. Matrice 210 RTK V2とMatrice 300 RTKの活用シーン
それでは、具体的にどのようなシーンでの活用が期待できるのかをご紹介していきます。
3-1.測量業務が中心ならMatrice 210 RTK V2
やはり、Matrice 210 RTK V2といえば測量技術の高さに定評があります。D-RTK2 for MatriceやネットワークRTKと組み合わせることで、手軽に精度の高い測量が実現します。(RTK機能については、また別記事で詳しくご紹介します)
24~33分の飛行が可能となるため(搭載するジンバルカメラにより異なる)、広大な敷地の測量も従来よりはるかに低コストで行うことができます。
3-2.点検業務をスマートに行うならMatrice 300 RTK
驚異の最大飛行時間55分に加え、AIを活用した定期点検の自動化、最大65,535個のウェイポイントを作成できる機能など、これまでとは比べものにならないほどの快適な点検業務が実現します。
RTK搭載ドローンは、より正確な機体制御が可能となるため、鉄橋・鉄塔等の電波干渉を受けやすい対象物の撮影にも安心です。
また、これまでのMatriceシリーズとは異なり、業務量スマート送信機が採用されているのも個人的にかなり嬉しいポイントです。(Cendence送信機よりもシンプルで使いやすい)
点検業務にMavic 2 ProやMavic 2 Enterpriseを使用しているという方は、抵抗なく使いこなせると思います。
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4.気になる販売価格は?
DJIの産業用ドローンは、基本的にネット上で価格が公開されていませんが、販売価格を予想してみました。(M300RTKは参考価格が出ています)
この価格だけを見ると「え!?M300RTKめちゃくちゃ安いじゃん!!」と思ってしまいますよね。
しかし、これには訳があります・・・。 5.バッテリーは別売り?購入前に要チェック!
充電器が付いていなかったりすることもあるDJI製品ですが、Matrice 300 RTKはバッテリーと充電器が別売りになっています。
ちなみにバッテリーを充電するには専用の「バッテリーステーション」というものが必要になります。これで機体バッテリー・送信機バッテリーどちらも充電&持ち運びができます。
ただフルで入れておくと相当重くなる為、一人で機体+バッテリーステーションを運ぶのは結構きついです・・・。
6.コストを抑えるならレンタルがおすすめ
「購入前にちょっと試してみたい」「実際にうちの業務で活用できるか不安」そんな時はレンタルがおすすめです。
機材一式を揃える為には100万~200万円程度の予算が必要となる為、いきなり購入するのはハードルが高いですよね。 また定期的なメンテナンスによる維持費もかかるため、必要な期間だけ無駄なく使えるレンタル・リースが便利です。
ドロサツ!!では、今回ご紹介したMatrice 210 RTK・Matrice 300 RTKの他、人気のPhantom 4 RTKやMavic 2 Enterpriseといった産業機も取り揃えているので、ぜひチェックしてみてください!
監修者
森本 洸生(もりもと こうき)
株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)
<略歴>
中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。
<所有する資格>
- DJI CAMPスペシャリスト
- DJI CAMPインストラクター
- DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
- 無人航空従事者試験1級
- CRPI公認指導員
- 総飛行時間400時間以上