「精度と効率をまったく新しいレベルに引き上げるカメラ」というコピーとともに発表されたDJI Zenmuseシリーズの最新作「Zenmuse P1」と「Zenmuse L1」。
次世代型産業用ドローンDJI Matrice 300 RTKに対応するジンバルカメラとして登場し、早くも測量界隈で大きな話題になっています。
発売当初は"点検業務特化型"という位置づけだったMatrce 300 RTKですが、このジンバルカメラを搭載することで、ついに測量業界にも革命を起こすことになりそうです。
この先、Matrice 300 RTKが測量業務における新スタンダードとなる時代がくるのか?それぞれのカメラの特徴を調べてみました。
1.まずはMatrice 300 RTKをおさらい
2020年春に発売されたMatrice 300 RTKですが、”点検業務向け”とされていたので、これまでスルーしていたという方も多いのではないでしょうか。
Matrice 300 RTKの特徴について改めて簡単にご紹介していきます。
1-1.TB60による”最大55分”という驚異の長時間飛行が可能に
まずなによりも衝撃的だったのがこの最大飛行時間です。
今回新たに開発されたMatrice 300 RTK専用バッテリー【TB60】を搭載することで、驚異の長時間飛行が可能となりました。
これまで産業用ドローンとして主流だったMatrice 200 V2でも最大飛行時間は38分ですから、いかに素晴らしいアップデートかがお分かりいただけるかと思います。(折り畳み式のMavic 2 Enterpriseあたりだと大体30分前後)
ドローンを使用していると、どうしても業務の途中でドローンを着陸させてバッテリーを交換する手間が発生してしまいます。 バッテリーの充電自体もそれなりに時間がかかるので、広大な敷地の測量や点検では、結局待ち時間が発生してしまうこともあり、業務を効率的に回すためには大量のバッテリーを用意していたという方も多いのではないでしょうか。
しかし、1回のフライトでこれだけ長い時間業務を遂行することができれば、点検・測量・災害現場の調査等、さまざまな現場での利活用が急速に進むことになりそうです。

1-2.点検業務が劇的に効率化!M300に搭載されたAIによるスポット確認
点検業務を生業とする方々の中で、特に盛り上がっていたのがこの機能。 定期点検を自動化することで、毎回正確なデータを効率的に収集することが可能になります。
対象物を自動で識別できるので、「毎月のデータを集計したけど、なんか調査範囲ずれてる気が・・・」なんてことを防げます。
1-3.もはや航空機レベル?M300の高精度な情報認識力
Matrice 300 RTKには、新たにプライマリーフライトディスプレイというものが搭載されています。
これは飛行情報や周囲の航空情報、障害物情報といった内容が表示されるほか、安全なフライトには欠かせない機体の姿勢・高度・速度・風速・風向きといった情報を確認することができる至れり尽くせりなシステムです。
もちろん、その場でリアルタイムに情報を取得できるため、危険や異常をいち早く検知し、トラブルを未然に防ぐことができるようになります。
2.Matrice 300 RTKの為に開発されたZenmuseシリーズ
Matrice 300 RTKがこれまでなかった”超ハイスぺ産業機”であることをざっくりとまとめましたが、ここからは新作のZenmuseカメラについてご紹介していきます!
2-1.フルサイズ航空測量用カメラ「Zenmuse P1」
DJI公式サイトでは「フルサイズセンサーカメラと交換可能な単焦点レンズを3軸ジンバルスタビライザーに搭載したカメラ」と紹介されていますが、簡単にいうと「航空測量用に開発されためちゃくちゃ高精度のカメラ」です。

Zenmuse P1の特徴
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45MPフルサイズセンサー
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GCPなしの精度 水平3cm/垂直5cm
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メカニカルシャッター(シャッタースピード1/2000秒)
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一度の飛行で3㎢をカバー
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スマートオブリ―クキャプチャー
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TimeSync 2.0マイクロ秒レベルの同期
高感度のフルサイズセンサーを搭載しながら、一度の飛行で3㎢をカバーするというZenmuse P1。これがMatrice 300 RTKの長時間飛行と組み合わさることで、広大な敷地の測量も大幅な効率化が期待できます。
さらに刷新されたTimeSync2.0システムにより、リアルタイムで位置と方向の補正が可能とのこと。この技術でcmレベルの高精度データが取得できます。
装備可能なレンズは24mm/35mm/50mmの3種類。 スマートオブリ―クキャプチャー機能を活用することにより、2D/3Dおよび詳細モデルを簡単に作成することができます。
航空写真測量の定番ツール
アップデートされたのはカメラの性能だけではなく、作業データの管理もよりスマートになりました。
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作業結果ファイルを作業名と作業時間に自動的に関連付け
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写真/GNSSデータ/TimeStamps.MRKファイルの一元化保存
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画像メタデータ内に、カメラの内部パラメータ/外部パラメータ/RTKの情報を含む
位置データ、撮影画像数、RTKステータス、ポジショニングの正確性をチェックし、飛行後にその場でデータ品質を検証できます。
2-2. LIDAR + RGBソリューション「Zenmuse L1」
Zenmuse L1は、Livox Lidarモジュール/高精度IMU/1インチCMOSセンサーを搭載した、飛行中のあらゆるデータを可視化する統合型3軸ジンバルカメラです。

Zenmuse L1の特徴
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Livox Lidarモジュール/高精度IMU/RGBカメラ
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一度の飛行で2㎢をカバー
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高い精度 垂直5cm /水平10 cm
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検出範囲:450 m(80%反射率、0 klx)
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ポイントレート:240,000ポイント/秒
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保護等級IP44
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ポイントクラウドライブビュー
より安全に、より効率的に高精度データを収集
Zenmuse L1は保護等級IP44となっており、霧が発生するようなエリア・時間帯でも安全なフライトが実現します。
また1回の飛行で2㎢の点群データが取得可能に。Livox Lidarモジュールと1インチCMOSセンサーの可視光カメラにより、高精度の点群モデルをフライト現場でリアルタイムに生成できるため、円滑な業務の遂行に貢献します。
DJI Terraと組み合わせることで、再構成モデルや精度レポートを簡単に作成することも可能になります。
2-3.Zenmuse P1 / Zenmuse L1のスペック
それぞれのスペックをまとめてみました。
Zenmuse P1 | Zenmuse L1 | |
サイズ | 198×166×129mm | 152×110×169mm |
重量 | 約787g | 約900g |
保護等級 | IP40 | IP44 |
対応機体 | Matrice 300 RTK | Matrice 300 RTK |
動作環境温度 | -20℃~50℃ | -20℃~50℃ |
絶対精度 | 水平:3cm、垂直:5cm | 水平:10cm@50m、垂直:5cm@50m |
センサーサイズ |
静止画:35.9×24mm
動画:34×19mm
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1インチ(RGBマッピングカメラ) |
点数 |
シングルリターン:240,000ポイント/s
マルチリターン:480,000ポイント/s以上
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リアルタイムカラーリングモード | 原色;反射率着色;高低差着色 | |
有効ピクセル | 45MP | 20MP |
写真サイズ | 3:2(8192×5460) |
3:2(5472×3648)
4:3(4864×3648)
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最小撮影間隔 | 0.7s | |
シャッター速度 |
メカニカル:1/2000-1/8s
電子:1/8000-8s
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メカニカル:1/2000-1/8s
電子:1/8000-8s
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絞り範囲 | f/2.8-f/16 | f/2.8-f/11 |
ISO感度 |
静止画:100-25600
動画:100-3200
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静止画:100-3200(Auto),100-6400(Manual)
動画:100-3200(Auto),100-12800(Manual)
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動画フォーマット | MP4 | |
動画解像度 | 16:9(3840×2160) | |
フレームレート | 60fps | |
スタビライズシステム | 3軸 | 3軸 |
角度ぶれ範囲 | 0.01° | 0.01° |
機械的な可動範囲 |
チルト:-125°~40°
ロール:-55°~55°
パン:±330°
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チルト:-120°~30°
パン:±330°
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3.Zenmuse P1 / L1の気になる販売価格は?
DJIの産業用ドローンやカメラは、基本的にネット上で価格が公開されていません。
その為、販売代理店に直接問い合わせをして見積りをとることになるのですが、まだ興味があるな~という段階でいきなり購入の見積りを依頼するのは少しハードルが高いですよね。
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今回ご紹介したMatrice 300 RTKおよびZenmuse P1 / L1は専門性の高い機材となるため、ドロサツ!!テクニカルサポートによる現地でのセットアップサービスもご提供しています。
※Zenmuse L1は事前講習の受講が必須となります!
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