ドローンによる測量のメリットと注意点を紹介

  
昨今、ドローンを利用した測量を活用し、作業の効率化やコスト削減などを実現している企業が数多く見られます。
今回は、ドローンを利用した測量の概要やメリット・測量方法を紹介します。また、心配になりがちなドローン測量利用の際の注意点や使ってみたいおすすめの測量用ドローンもあわせて解説していきます。
 
なお、本記事の情報は2021年10月時点の情報になります。最新の情報は各公式ページをご確認ください。

ドローンを活用した測量とは

ドローンを活用した測量とは、写真やレーザー照射などを利用して上空からデータを取得し、専用ソフトウェアを利用して該当する場所の図面作成を行う方法を指します。
 
 
従来から利用されていた測量方法には、地上からの測量や航空機を利用した測量がありました。
ただ、地上からの測量は、人手がかかりすぎることや広範囲の測量は難しいこと、また、航空機による測量は広範囲の測量は可能なものの、高額になりやすいことから、それぞれ問題点があった点は否めませんでした。
 
これら2つの測量方法の問題点を解消したものが、ドローンを活用した測量方法になります。
ドローンを活用した測量では、コストを抑えながらある程度の範囲の測量が可能となっています。効率的に測量作業をこなせる手法として、今ドローンを活用した測量方法が注目されています。
 

ドローンを活用した測量のメリット

ドローンを利用した測量のメリットには、次の4つが挙げられます。
  1. 1.測量範囲に制約がない
  2. 2.作業日数が短くコスト削減が可能
  3. 3.工事を止めずに測量ができる
  4. 4.3Dモデルの作成が簡単にできる
ここではそれぞれのメリットを詳しく解説します。

1.測量範囲に制約がない

ドローンを利用した測量では、人がなかなか立ち入れない場所でも測量が可能となっています。基本的に上空からの測量となるため、測量範囲に制限がなく、たとえ危険を伴う場所や山奥であった場合でも問題なく測量できます。

2.作業日数が短くコスト削減が可能

従来行っていた測量方法と比較し、測量に必要な移動のリスクや費用の削減が実現できるのも、ドローンを利用した測量のメリットとなっています。短時間での測量が可能で、データ解析もスピーディーなドローン測量は、かつての測量方法に対し、効率的に作業を進めることができます。また、かつての測量方法で必要だった人手がほぼ不要となり、人件費が大幅に削減されるため、コストカットにも役立つのです。

3.工事を止めずに測量ができる

ドローン測量では、今までの測量方法と異なり、安全のために工事をとめて測量する必要がありません。重機やトラックが写真に映り込む場合でも、影響なく測量作業が可能です。よって、工事を進めたままの状態で並行して測量作業を進めることができます。ドローンの飛行はソフトウェアで行い、仮に進行方向に障害物があった場合でも自動で停止するため、工事中でも安全に測量作業を進められます。

4.3D モデルの作成が簡単にできる

ドローンを利用した測量では、ドローン測量用のソフトウェアを利用して、データを取得できるようになっています。従来の方法と比較し、測量作業やデータから必要な図を作成するための時間が短縮可能です。
ドローンによる測量を利用することで、取得したデータをもとにした3Dモデルが簡単に作成できるため、必要なデータを短時間かつ自動的に取り出すことが可能となっています。
 

ドローンを活用した測量方法

ドローンを活用した測量方法には、3次元測量とレーザー測量の2つが挙げられるでしょう。以下、2つの測量方法の特徴を説明していきます。

3次元測量

ドローンを利用した3次元測量は、ドローンに搭載したカメラを利用して撮影した複数枚の写真をつなぎ合わせて3次元モデルを作成する測量方法となります。 従来からの測量方法として一般的な航空機や衛星による測量と比較し、低高度でも解像度の高い写真を撮影できるメリットがあります。
また、短時間で撮影作業は完了するため、作業時間の短縮が可能です。レーザー測距装置を利用して測量を行うレーザー測量と比較し、低予算で機材を揃えることができるため、よりコストをおさえたい場合にはおすすめの方法となります。
 

レーザー測量

レーザー測量は、ドローンに搭載されているレーザー測距装置が地表に向けて照射したレーザーを反射させ、戻ってくるまでの時間と速度を利用して、地表までの距離を測定する方法です。写真を利用した3次元測量と比較し、地表に対する障害物をすり抜けて測量可能となっており、より精度の高いデータを取得できる特徴があります。より精密なデータを得られるため、電線点検や森林の測量に多く用いられています。
 
これまで、一般的にレーザー測量に利用するレーザー測距装置は非常に高価だとされてきました。1,000万円程度のものとなる場合もあります。
近年では、Zenmuse L1 のような比較的安価なモデルも登場しています。
 
 

ドローンを活用した測量の注意点

ドローン測量を利用する場合には、以下の3点には注意しておく必要がありま す。
  1. 1.広範囲の測量には不向きである
  2. 2.測量する場所によっては割高になる
  3. 3.ドローンが入り込めない場所では利用できない

1.広範囲の測量には不向きである

基本的に、ドローンのバッテリーの持ち時間は20分程度と短いため、広範囲に及ぶ測量では何度もバッテリー交換が必要です。かえって測量のための手間や時間を要してしまうため、広範囲の測量では航空写真を利用した測量のほうがおすすめです。
※現在はこれまでよりも長時間の飛行を可能としているドローンも登場しています。DJIの産業用ドローン Matrice300 RTK の場合、1時間弱の飛行が可能です。
 
測量範囲に応じて、費用だけで比較するのではなく、飛行性能もチェックすることをおすすめします。
 
 

2.測量する場所によっては割高になる

ドローンによる測量は、ある程度の範囲に及ぶ測量に効果を発揮します。狭い範囲の測量では、人手による測量のほうが向いており、ドローンを使っての測量ではかえって割高になってしまう場合もあるため、注意が必要です。
測量作業を行う際には、場所によってどのような方法をとるのがコスト面でも適しているのかを考慮に入れながら、最善の方法を選択していきましょう。
 

3.ドローンが入り込めない場所では利用できない

ドローンの飛行が許可されていないような場所(首相官邸や原子力発電所の付 近)ではドローンを使った測量はできません。
ドローンでの測量を考えているエリアは、ドローンの飛行禁止区域にあたっていないか、あらかじめ確認をしておく必要があります。
 
 
 

ドローン測量に必要な資格

ドローン測量を実施する際には、測量士および測量士補を取得しなければなりません。これら2つの資格は、国土地理院認定の国家資格となっており、測量の業務を行ううえで必須の資格となっています。
また、ドローンの操縦を行うための、必須となる資格はありませんが、ドローンの操縦方法や関連ソフトウェアの使用方法に関する知識を身につける意味で、事前に機体をレンタルして操作を練習してみるとよいでしょう。
 

測量におすすめの測量用ドローン3選

ここでは、ドローン測量におすすめの測量用ドローン3つをご紹介します。いずれも当社でレンタル可能な商品となっていますので、測量用ドローンの導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
 

1.Phantom 4 RTK

コンパクトサイズの  Phantom 4 RTK は、cmレベルで空中からの正確な測量が可能な測量用ドローンです。フライトコントローラーやカメラ、RTKモジュールが常に調整し続ける最新の Ti meSync システムが利用されており、写真測量方式の結果が最適化されるようになっています。低高度でも正確な地図作成が可能なため、より精度の高い情報を求めている場合に適した仕様になります。当社でのレンタル料金は、1泊2日プラン19,800円~。
 

2.Matrice 300 RTK

Matrice 300 RTK は、航空システムから着想を得て開発された測定用ドローンです。
大型のTB55バッテリーを搭載しており、長時間の飛行が可能となります。本商品は、測量だけでなく、点検や防犯、探索救助などさまざまな分野で広く対応できる商品といえるでしょう。当社でのレンタル料金は、1泊2日プラン69,000円~。

3.Matrice 210 RTK V2

Matrice 210 RTK の上位モデルにあたる本商品は、高解像度カメラを内蔵し、より正確な 2D/3D マップの作成が可能となった産業用ドローンです。より広い範囲の地図作成が簡単に行え、さまざまな場面でのドローン活用を検討されている方にご利用していただけます。
当社でのレンタル料金は、1泊2日プラン98,000円~。

効果的なドローン測量の導入は作業効率アップの第一歩

今回はドローンを活用した測量のメリットや測量方法、また、ドローン測量での注意点を紹介しました。ドローンを利用した測量を導入すると、測量に必要な時間やコストの大幅削減をもたらされ、より正確なデータの取得が可能となるなど、多くのメリットが得られます。
 
反面、測量する場所や範囲によっては、測定ができなかったり、コスト面で割高になってしまう場合もあったりするので注意しましょう。また、自社にドローン測量の導入を検討する際に、コスト面での心配がある場合は、レンタルでの利用もおすすめです。

ドローンレンタルのドロサツ‼では、空撮用や産業用ドローン、水中ドローンなど幅広い用途のドローンレンタルが可能です。

個人の方も法人の方も、ドローンのレンタルなら機体保有台数業界No.1のドロサツ‼にご相談ください。

監修者

監修者の写真

森本 洸生(もりもと こうき)

株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)

<略歴>

中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。

<所有する資格>

  • DJI CAMPスペシャリスト
  • DJI CAMPインストラクター
  • DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
  • 無人航空従事者試験1級
  • CRPI公認指導員
  • 総飛行時間400時間以上
一覧に戻る