ドローンを飛ばして運べる量は、実際どれくらいなのでしょうか?業務用としてドローンを活用する時の積載量はとても重要です。
知っているようで意外と誰もが触れないこの問題。現在のおおよその可能な重さと、果たして増やせるのか?調べてみましょう。
ドローンの積載量とは
積載量とは、『物体をのせる(載せる、乗せる)ことを目的としたもの(器物、動物。人間が動かす物。)が、本来の機能を保ったままで負うことができる限界の重量、すなわち、積載量(搭載量)の上限である。』
―weblio辞書より引用-
ここでいう積載量は、ドローンに乗せて飛ばしても問題ない重量の事になります。ドローンは搭載する荷物に加えカメラなど機体のオプションを含めた重量が最大積載量を超えてはいけないとう決まりがあります。最大積載量は機体ごとに決まっていて、これをペイロードといいます。
機体による違いはありますが、輸送を目的とした最大積載量は10kg程度で、産業用ドローンは5kgくらい、災害救助用の道具や、郵便程度は輸送可能です。
【積載量で比較】各国のドローンの開発状況
ドローンに期待することのかなりの割合に、一度にどれだけの量を運べるか?と、いう事が占めていると思われます。その点についての各国の対応、開発状況等を見てみましょう。
ドローンの積載量は国によって異なりますが、日本の開発状況は、世界と比べて一歩遅れているのが現状です。
ドローン最大手のDJIでは、農業用ドローン部門の「DJIアグリカルチャー」が2022年11月に発表した機種「T50」は、最大積載量がなんと50kgに達しています。ある国では200kgの搭載で45分飛行できる驚きのドローンも開発されています。
しかし、日本は今後に向けて更に性能の高いドローンの開発を進めています。例えば、PRODRONE社が開発した「PD6B-TypeⅡ」の最大積載量は30kgです。同社では、全天候対応型の開発が急ピッチですすめられています。ドローンの最大の弱点は風雨の影響なので、この開発が成功すれば世界にも引けを取らないでしょう!
また、東京電力パワーグリットでは2019年から貨物運搬用のドローンを開発していて、最終的には1000kg、つまり1トンの搭載を目標にしています。
ドローンの積載量に関する注意点
どうせなら一度にたくさん運びたいと思ってしまいますよね。
ですが、多ければ良いというものではありません。機体が重くなりすぎて消費電力の効率が悪くなるケースもあります。
使用目的を明確にして、どのドローンにどれくらい搭載できるのかを考えて選ぶようにしましょう。
①積載量が多いほど飛行距離が短くなる
先ほども述べましたが、ドローンの積載量は多いほうが便利です。しかし実際は積載量が多ければその分ドローンが重くなってしまい、バッテリーの電力を消費していまいます。
当然ですが、飛行時間もホバリングする時間も短くなります。
車の燃費と同じ理屈ですね!運ぶ荷物の優先順位等に気を配りましょう。
②カメラを後付けする場合はカメラの重さも考慮する必要がある
ドローンにはカメラが付いていない機種もあります。自分でカスタマイズしたい場合や手持ちの高性能カメラを搭載したい時などに、カメラが付いてない機種をあえて選ぶ方もいると思います。
しかし、先述したとおり、ドローンはペイロードいう最大積載量が決められていて、これには機体本体の重さに加えて機体部品の重量も入っています。当然飛行時の積載量に後付けしたカメラの重さも含まれるので、輸送に利用する場合には最大積載量に注意しなくてはいけません。最大積載量を超えて飛行すると墜落する危険性があります。
作業中に思わぬ横風等出くわしたら大変です。余裕ある操縦が出来る重量を意識しましょう。
ドローンの積載量を増やすことはできる?
モーターやプロペラを高出力のものにカスタムすれば可能ですが、すべて自己責任となります。しかし、おもわぬ故障や事故につながる可能性が高いため推奨はできません。
カスタムしたことによる耐久性の変化や、それ相応に必要になるバッテリーの重量の変化等、すべての構成部品の見直し等を考えますと個人的には限界を超えてしまうのではないかと、危惧します。安全性の確保も考えますと、やや非現実的ではないでしょうか。どうしても改造される場合は自己責任のもと慎重に行ってください。
ドローン物流の技術的な課題
まずは安全の確保です。狭い場所への着陸はかなりの正確さを必要とする為に、広く開けた場所が必要なので、離着陸場の整備が必要です。
さらにドローンは風の影響を受けやすく落下の可能性もあるので、安全に飛行させるためには操縦技術と運行管理の両方が必要になります。障害物のない飛行ルートを計画・設定することはとても重要です。
また、バッテリーの稼働時間も問題です。重い荷物の場合は長時間輸送が難しく、運べる荷物が限られていまします。現在はハイブリットエンジンを積める機体の開発が進んでいるので、期待したいですね。
そして重要なのがもう一つ、風雨に弱いドローンは雨の日には飛ばせません。雨に強い完全防水の頑丈なドローンが必要です。先ほど述べたPRODRONE社が開発している全天候対応型のドローンに期待したいですね!
まとめ
ドローンを使った輸送の積載量について解説しました。
物流でドローンを導入するにあたって、最初から付いて回った課題である積載量。各国のレベルは、想像以上に高く日本はいつの間にか後れを取っていました。
これからのドローンは積載量だけでなく、リスクを回避しながらの安全性が求められます。今後の動向に大注目です。
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監修者
森本 洸生(もりもと こうき)
株式会社 drone supply &control (ドローンエバンジェリスト)
<略歴>
中学生の時に国土交通省の全国包括申請許可取得し、鹿やイノシシによる農作物被害を守る害虫駆除のプロジェクトに参画するなど、若い世代のドローン第一人者。現在では様々なドローン事業に参画するなど多方面で活躍中。
<所有する資格>
- DJI CAMPスペシャリスト
- DJI CAMPインストラクター
- DJI CAMP ENTERPRISEインストラクター
- 無人航空従事者試験1級
- CRPI公認指導員
- 総飛行時間400時間以上